日焼け・光線過敏症


日焼け sun burn 日光皮膚炎 solar dermatitis
紫外線が皮膚に与える影響には、直接的に働いて生じる急性反応(日焼け)と、間接的に働いて生じる反応(光線過敏症)があります。
日焼けは、過度の紫外線(UVB)照射によって生じます。
日光照射の数時間後に、照射部位に一致して紅斑、浮腫、水疱などが出現します。日光照射の12〜24時間後が症状のピークで、その後徐々に軽減し,数日後には色素沈着(黒化)、落屑を残して治癒します。
治療
 冷却、ステロイド外用(症状が強い場合には、熱傷治療に準ずる)などの治療を行います。サンスクリーンによる遮光が有効です。

光線過敏症 photosensitivity dermatosis
光線過敏症には,大きく分けて内因性と外因性の2種があります。
外因性の代表は薬剤性光線過敏症です。内因性には遺伝、感染、代謝異常、免疫異常などによる疾患が含まれます。
光線過敏症には好発年齢がはっきりしている疾患が多いです。
外因性
光接触皮膚炎:接触源が皮膚内で毒性を発揮するために光線エネルギーを持っています。タール化合物、植物、染料、薬剤が原因となります。
光アレルギー性皮膚炎:ハプテン・担体結合物の形成に光線エネルギーを持っています。薬剤、防腐剤、殺菌剤などが原因となります。

内因性
多形日光疹
後天性に発症する原因不明の光線過敏症、UVA、UVB、可視光線が原因となります。
症状は多様で、同一患者では単一の症状で経過する場合が多いです。露光部に紅斑丘疹性の皮疹を認め、疼みを伴います。徐々に苔癬化をきたします。
juvenile spring eruption : 多形日光疹の限局型バリアント、短髪の男児、若年成人男性に好発します。耳輪に紅色丘疹、水疱、痂皮を形成し、約2週間でわずかな瘢痕を残し(あるいは痕を残さずに)消失します。
その発症には小さな流行を認めることがあします。
actinic prurigo : 主に、小児期(7歳ごろ)に発症します。UVA、UVBに対する異常な反応として、露光部に?痒性丘疹を起こします。粘膜症状を伴うことがかなりあります。ストロフルスとは、特に乳幼児期に虫刺されの後に生じるに生じるとても強いかゆみを生じる漿液性丘疹を指します。アトピー性皮膚炎と並び小児期にみられることの多い病気です。
5歳以上で女性に多いタイプのものを結節性痒疹といいます。この場合固定じんましんとも呼ばれています。じんましんとは症状全体に異なります。

日光蕁麻疹
   光線暴露中あるいは、照射後数分以内に、光線暴露部に限局して紅斑が出現し、激しい痒みを伴う膨疹へと進展します。
色素性乾皮疹(XP)
 常染色体劣性遺伝、紫外線照射によるDNA障害を修復する機能が低下、修復機能が欠損するA〜G群と、修復機能正常のバリアントからなります。
種痘様水疱症(HV)
 UVA反復照射より局所皮膚の免疫監視機能が低下した場合、Epstein-Barr virus の潜伏感染するT細胞が浸潤し、反応性に細胞障害性T細胞が浸潤することで発症します。
骨髄性プロトポルフィリン症(EPP)
 常染色体優性遺伝、フェロケラターゼ(プロトポルフィリンから、ヘムへの合成酵素)の遺伝子異常により、皮膚、赤血球などにプロトポルフィリンが蓄積します。
 多くは乳幼児の光線過敏で発症します。日光暴露後、露光部にヒリヒリ感を伴う浮腫性紅斑、水疱が出現します。

検査
   MEDの測定:光線照射 24時間後に、紅斑をきたすのに必要な最小の光線量を測定します。
 光パッチテスト:光接触皮膚炎、薬物性光線過敏症、多形日光疹などの疾患を疑う際に行います。
 内服照射テスト:光パッチテスト陰性の際は、被疑薬剤を1回量内服して1〜3時間後に背部にUVAを照射します。陰性の場合は、1日量を内服して照射します。

◎アトピー性皮膚炎と光線
 アトピー性皮膚炎においてはUBAに対するMEDが低下している報告があり、日光により増悪する疾患の一つとして知られています。  実際には紫外線が直接的な増悪因子になる場合は少なく、ほとんどが紫外線照射に伴う皮膚温度の上昇や、発汗によって痒みが増すことをが原因と考えられています。
 重症のアトピー性皮膚炎患者に対して紫外線照射が有効な場合があります。これは紫外線照射が皮膚の免疫反応抑制をきたすためと考えられています。

(文献 小児科臨床ピクシス アトピー性皮膚炎と皮膚疾患 中山書店 158−160)


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