腹式呼吸について
呼吸の方法には、普通に大人がする呼吸である、肩をはって胸を開くようにしてする胸式呼吸と、おなかをふくらませたり、へこませたりしてする腹式呼吸とがあります。胸式呼吸では、横隔膜はあまり動きませんが、腹式呼吸では、息を吸い込むと横隔膜がぐっと下がって肺が広がり、胸全体が陰圧になって肺のすみずみにまで空気が入り、反対に息を吐くと横隔膜は下がって肺の収縮を肋け、空気が十分に吐き出されます。
肺では、体内の炭酸ガスと肺に入ってくる新鮮な外気からの酸素とのガス交換を行っています。腹式呼吸では、このガス交換が効率よくできるのです。調子が悪くなって、ハァハァという浅い呼吸になった場合には、新鮮な空気は気道をいったりきたりするだけで、肺まで送り届けることができません。その結果、炭酸ガスは十分に吐き出されなくなるので、肺に炭酸ガスが貯まった状態になってしまいます。このため、ぜんそくの子どもでは、息切れしたり、肺気腫を起こしてしまうことがあります。肺気腫というのは肺に異常に空気が貯まった状態のことです。
ぜんそくの発作で一番苦しいのは、うまく息を吐き出せないことによる呼吸困難なのです。しかし、この腹式呼吸を行うと呼吸を楽にすることができます。
発作が起こりそうなときや軽い発作のときには、腹式呼吸をするだけでおさまることもあります。ですから、日頃から練習し身につけて、この腹式呼吸をマスターしておきたいものてす。そのために、ぜんそく体操というものが考えられています。