夜間咳嗽発作
咳嗽は咽頭、喉頭、気管、気管支に存在する咳受容体への物理的・科学的刺激による延髄にある咳中枢の興奮が原因となっています。
気管・気管支は受容体にとみ、物理的刺激には喉頭および気管分岐部が最も敏感です。終末気管支や肺胞に受容体は存在しないといわれています。
気管支喘息やその前段階では
@気管支平滑筋の攣縮
A気管支粘膜の浮腫
B気管支粘液腺の分泌亢進などが生ずること
などがよく知られています。 @の変化が優位である場合、大気道で閉塞が生ずる際は、痙咳が主徽で喘鳴に家族が気付かないこともありえます。
アレルギーマーチ(allergy march)の最初の段階である小児気管支喘息前段階にアレルギー性気管支炎および咳喘息があります。
a)アレルギー性気管支炎
易感冒型(喘鳴のあるかぜで、頻繁に湿性咳嗽を伴う)、反復性あるいは遷延性気管支炎型(時に夜間笛声喘鳴を聞く)、痙咳型(夜間1〜2回、10分〜1時間続く咳嗽発作)の3型よりなっています。
b)咳喘息
喘息発作・喘鳴の既往歴なく、長期(2週間以上数カ月にわたる報告が多い)にわたって続く咳(乾性が主)のみがあり、中枢性鎮咳剤は無効で、肺機能から喘息と診断されます。現在は吸入ステロイドを勧めています。
1)家族歴におけるアレルギー疾患の存在、患児におけるアレルギー徴候(下眼瞼下のくま、鼻こすり、地図状舌、咽頭後壁リンパ濾胞肥大等)の確認、末梢血や鼻汁塗抹の好酸球増多、IgE高値が認められれば、前段階の可能性はきわめて高いと思われます。
テオフィリン、β刺激剤または感染徴候がなけれ1日量10〜15mgのプレドニン 1〜3日間の投与の有効性が十分に期待されます。
2)鼻咽腔炎(普通感冒)の一部、慢性または反復性副鼻腔炎や扁桃炎において後鼻漏が咽頭後壁の迷走神経を、あるいは鼻閉が続き、外気がロ呼吸により直接喉頭部・気管分岐部を刺激する場合等には、長期の咳嗽が生じうると考えられます。
しかし前者では咽頭後壁は受容体が少なく、刺激への反応は鈍く、他の症状が加わることが多いのです。後者は一般に稀です。
咳のみが二週間以上続く症例では、その原因について上気道病変にこだわるのはよくありません。前述した 鼻汁塗抹(nasal smear)、喀痰細胞像、lgE、呼吸機能、気道過敏性テストは有用と思われます。
もし月余の湿性咳嗽が続く際は、小児で慢性気管支炎、気管支拡張症、汎細気管支炎なども考慮する必要があります。
3)夜間に咳が多発しやすい理由については、不明な点が未だに多いです。
夜間は 副交感神経緊張症(parasympathotonia) による気管支分泌物増加があり、背位での睡眠は呼吸筋の動きを抑え、肺活量減少を生じます。これらは喀痰量の増加となり、咳嗽刺激をきたしますが、喀出力の減少もあるので、咳嗽発作が長引くことになります。
さらに気温(室温)低下に伴う冷気の呼吸、降下する家塵吸入などによる咳受容体への刺激増加などが相侠って、夜の咳が多発する原因をつくっているものと思われます。 ※目の下のくま
貧血 バセドウ病 精神的ストレス あざ 疲れや寝不足 老化 アレルギー アトピー性皮膚炎 肝機能異常など。