点滴してください
子どもが嘔吐下痢症などで嘔吐したり、全く水分を飲めなくなると、治療として、輸液(点滴)をします。それはいいのですが、6時頃、つまりもう終わろうかとしている時間に駆け込んでこられて、「点滴してください」と言われると、実はとても困るのです。何故なら輸液は10分や20分では終われないからです。子どもの輸液については、もちろん協力的な子どもがいるわけはありませんし、小さい子どもになるほど簡単ではありません。人出も必要です。手などが冷たくなっていて、血管が触れにくい時には暖めなくてはなりません。小児の輸液自体大変手間のかかることなのです。
単に熱があるから、嘔吐しているから、下痢があるから、元気がないからなどの理由で輸液を望まれることがかなりあります。 しかし、症状や子どもの様子によって、必要な子どもたちだけに輸液をするべきなのです。
確かに輸液は子どもさんの様子によっては効果があります。だからといって輸液ばかりはできません。 必要な子どもにはどんどんいたします。しかしながら、朝から吐いていて、元気がないのに様子を見ていて、6時頃心配になって駆け込んでこられて、「点滴してください」ではこちらもその通りする気にならないのはおわかりいただけるでしょうか。
子どもさんの様子をよく見て、中途半端に様子を見ないで、色々な処置のできる時間に診察を受けて下さい。
これから寒い時期に入りますと、嘔吐下痢症が極端に多くなり、必然的に輸液をしなければならなくなります。嘔吐を繰り返していても、そのまま止まってしまって、ちゃんと飲めるようになっている子どもには必要ありません。子どもが夜に嘔吐が始まったら嘔吐下痢症のページをよく読んでいただいて判断してください。