大文字五山送り火
夏の夜空にくっきり浮かぶ幻想的な伝統行事。
祇園祭とともに、京都の夏を彩る大文字送り火。盆に迎えていた精霊を冥土に送り帰すために始められ、室町時代から続くといわれている。もともとは家で門火を焚いて精霊を見送ったのが、やがて山の上で焚くようになり、それが年中行事になったのは時代の初めのこと。五山とは、東山如意ケ岳の「大文字」、松ケ崎西山・東山の「妙・法」、西賀茂船山の「船形」、大北山(大文字山)の「左大文字」、そして嵯峨鳥居本曼茶羅山の「鳥居形」です。午後八時、大文字の点火に続いて、妙・法・船形・左大文字・鳥居形に火がつけられ、京の夜空がいっせいに燃え上がり、この間約30分の光のページェントが繰り広げられる。夜空をこがし、文字や絵が見事に浮かび上がる送り火が、京都の夜空をファンタスティックに染め上げる大文字の送り火は京都を彩る風物詩になっている。