炭疽菌


炭疽菌は炭疽の病原体で、Kochが初めて純粋培養して病原性を確認した。パスツールは弱毒菌による予防接種に成功した。病原体として、確実に証明された最初の伝染性病原菌である。

形態及び染色性
病原菌の中で最も大きい桿菌である。生体内では単独または短い連鎖をなすが、培養したものは長枝状を呈する。グラム陽性。

菌体は抵抗力が比較的弱く、一般の消毒薬あるいは加熱によって容易に死滅する。これに反し、芽胞は抵抗力が非常に強く、芽胞糸として保存したものが40年以上経っても発芽した報告がある。

病原性
主に草食獣(ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマなど)を侵すが肉食獣、雑食獣、人においては感染例が比較的少なく、鳥類の感染は極めてまれである。感染経路としては、消化器、呼吸器及び皮膚であるが、家畜類では消化器及び呼吸器感染が多く、人では主に皮膚感染である。
呼吸器に感染すると肺炭疽となり、致死率が高い。

診断
罹患獣、または患者の血液からの直接塗抹標本及び培養により菌を検出する。
予防及び治療 家畜には弱毒生菌免疫による予防接種が有効である。

治療
抗生物質のストレプトマイシン、ペニシリンが有効である。

(2001.10.12 文献:26より抜粋) 

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