サイトメガロウイルスCMV)感染症


 サイトメガロウイルス感染症は

 CMV感染症は母子感染頻度が非常に高い疾患です。 母体CMV抗体保有率の低下から増加しています。CMVは従来、母体の抗体保有率が高く、妊婦が発疹するケースは多くありませんでした。
しかし現在、妊婦の抗体保有率が70%程度に低下しており、母子感染が増加しています。
現在、全出生児の0.4%に母子感染が起こり、そのうち10%が症候化するとされています。すなわち計算上、日本全体で毎年4,000人の胎児が感染し、そのうち400人に症状が見られることになります。
 CMVの母子感染は、子宮内感染から母乳感染まであらゆる経路で起こります。

症状
胎児期に感染すると胎児発育不全、腹水、肝胆腫、脳内石灰化、小頭症、脈絡網膜炎、紫斑などが見られます。
生後の新生児期から乳児期にかけて感染すると、肝機能障害、血小板減少、大腸炎、肺炎などが見られます。
また後障害として、精神運動発達遅滞、てんかん、難聴、視力障害などが起こります。

診断
検査:ウイルス分離、CMV抗原

治療
新生児治療としてガンシクロビル、バルガンシクロビル塩酸塩という薬がありますが、先天性CMV感染疹に対してはいずれの薬も保険適用がなく、適応外使用とされているのが実状です。

その他の注意

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