家族性地中海熱(Family Mediterranean fever)


家族性地中海熱とは
周期的に発熱する疾患です。常染色体劣性遺伝といわれていましたが、常染色体優性遺伝もあるようです。
10才までに60%〜70%。 10万人に1人といわれています。

症状
発熱と腹痛を合併することが多いです。60〜70%が腹痛を起こし、かなり強い痛みです。漿膜炎を起こすために腹痛、胸痛、心膜炎を起こすことがあります。
単関節炎、時に持続性の膝または股関節炎、丹毒用紅斑があり、発熱が12〜72時間続きますが、これを超えると自然に治まります。3回以上続けると診断の方向になります。
発作は4週間あるいは2〜6週間毎に繰り返し、周期的です。間欠期には全く無症状です。 CRP上昇、血清アミロイド高値などがあります。

合併症
アミロイドーシスがあり、臓器不全を起こすことがあります。3-4%くらいです。

治療
コルヒチンが第一選択でカナキヌマブ一部の症例に有効であることが示されています。コルヒチンを継続的に使用します。

予後
コルヒチンによって比較的経過はよいと考えられています。

◎推定されている炎症機序
変異パイリン(pyrin)によりパイリンインフラマソーム(炎症を起こす分子の一つ)が活性化され、炎症が進んでしまう。
遺伝子名 MEFV :pyrin
(文献 65)

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