周期性発熱症候群(PFAPA)
周期性発熱症候群(PFAPA)とは
最も頻度が高い自己炎症性疾患です。原因遺伝子は特定されていませんし、正確な病態は不明です。正確な頻度は不明ですが、他の周期熱疾患に比較して多い疾患です。
発作として周期性の発熱・アフタ性口内炎・咽頭扁桃炎・頸部リンパ節炎を主症状とし、主に1〜4歳の幼児期に発症します。
非発作時には症状が全くありません。サイトカインの制御異常と考えられています。
症状
通常3〜6日間続く周期性発熱発作が主症状であり、アフタ性口内炎、頸部リンパ節炎、咽頭扁桃炎などの随伴所見の幾つかを認めます。前駆症状として全身倦怠感、頭痛などを訴えることがあります。
発作は3〜8週間毎に繰り返し、間欠期には全く無症状です。
合併症
基本的に予後は良好であり、とくにはありません。
治療
有効性が最も高いのは発作時の副腎皮質ステロイド剤の投与ですが、発作間隔を短縮し、次の発作が早く発来したり、発熱以外の症状が残存する場合があるなどの問題もあります。
その他では、ヒスタミンH2受容体拮抗薬である シメチジンや、コルヒチン、ロイコトリエン拮抗薬が一部の症例に有効であることが示されています。
内科的治療に抵抗する症例には扁桃摘出術が行われ、高い有効性(寛解率70〜80%)が示されています。 ★副腎皮質ホルモンの効果は非常に良好ですが、発熱が頻繁となり、あまり期待ができません。使わなくてもじわりと頻度が下がったり、発熱の高さが低くなってくることが多いようです。
続く場合に扁桃腺摘出術の考慮をしていきます。シメチジンは保険適応がないので普通には使えません。 予後
自然寛解が認められます。発達、成長は正常です。通常4〜8年程で治癒し、成長・発達障害を認めません。一部成人例の存在が指摘されています。
実際にかなりの患者さんが自然に治っていることが多いです。薬はやはり使いにくいですね。
※かなりの高熱と全身倦怠、強い咽頭扁桃炎を示してくるようです。アデノウイルスの扁桃腺炎に似ていますが、アデノウイルスは出てきません。ステロイド投与ですぐに熱が引き、元気になります。 症状のないときは元気です。
(文献 65)