発作性頻拍症


発作性頻拍症とは
脈が異常に速くなる不整脈の一種で、小児では毎分200〜300位になることがあります。

原因
突然何かが誘因となり、頻拍発作を来たし、動悸などの症状を起こします。原因の発生する場所が心房のものと、心室のものとがあり、それぞれ発作性上室性頻拍症、発作性心室性頻拍症と呼ばれています。
健常児にもしばしば発見されることがあります。遺伝が原因のことがあります。また、先天性心疾患、心臓手術、リウマチ性疾患、心筋疾患(心筋炎、心筋症)などが原因となります。

症状
無症状のこともあります。
乳児では機嫌が悪い、顔色が悪い、ミルクを飲まない、吐くなど、他の病気と区別しにくい症状ですが、胸や手首の脈を手を当てて感じると激しい動悸を触れることができます。
年長児では胸痛、動悸などを訴えます。
重症の場合は失神、けいれんを起こすことがあります。

WPW症候群と発作性上室性頻拍(PSVT)
PQ時間の短縮とδ波が特徴的に現れます。心房と心室の間に副伝導路(Kent束)が存在することが原因です。
通常は無症状ですが、発作性上室性頻拍を起こしやすいのです。
PSVTは生後0〜4ヶ月と5〜8歳に多く発見され、一般的には比較的良性の不整脈です。死亡することはまれですが、乳児では重症化しやすく、突然、不機嫌で哺乳力低下、嘔気、、嘔吐、顔面蒼白となり、12時間以上持続すると心拡大、肝腫大などの心不全症状が出現し、治療がなされないと死亡することがあります。
年長児では動悸、易疲労感などがみられます。
典型的な動悸発作は突然に始まり突然に停止します。開始や停止の瞬間を自覚できるほど突然であること、動悸の感じ方が通常の洞頻脈と異なっていることなどから非発作時にも問診から推測できます。

初期治療と注意すること
上室性の場合
自然に停まることもあります。
「鼻をつまんで行きをこらえる」「冷たい水を飲む」「冷たい水に顔をつける」という方法をまず試みます。これでとまらなければ受診していただき、不整脈を止める薬を使用します。
心室性の場合
危険なことがあり、多くは入信をして治療が必要となります。
不整脈の重傷度や種類は時とともに変わることがあります。症状がなくても専門医の定期的な検診を受け、その時々の状況に見合った支持を受ける必要があります。
★AED(自動体外式除細動器)にて応急措置が可能です。
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