周期性嘔吐症(自家中毒症)


周期性嘔吐症は元気に遊んでいた子どもが急におとなしくなり、顔色が蒼白となり、何回も吐き始めます。何回も吐いて、ぐったりしてきます。ブドウ糖の輸液をするとよくなります。

原因
このような状態になりやすい体質があると言われています。神経質な子に多いようです。疲れやウイルス感染、心因性の問題などのストレスがきっかけになり、発症することが多いようです。

症状
とにかく頻回に吐きます。ぐったりして元気がなく、顔面は蒼白になります。腹痛を訴えることもあります。発熱は多くの場合ありません。尿検査をすると尿の中にケトン体という物質がたくさん出ています。ケトン体は体がブドウ糖をうまく使えなくなって、代わりに脂肪をエネルギーとして使うために出てくる分解産物です。

診断
急に元気がなくなり、顔色が悪くなり、嘔吐し始め、尿検査でケトン体が陽性で他に嘔吐する病気がない場合にこのように診断します。

治療
ブドウ糖の輸液を行います。ブドウ糖の静脈注射だけでもよくなることもあります。
早いうちに糖分の多いものをなめたり、飲んだりするとひどくなる前に予防できます。

その他の注意
繰り返すことが多いのですが、他の病気がないかどうかきちんと調べておく必要があります。
たとえば低血糖(ケトン性低血糖症)を伴うものとか、脳の病気などが隠れている場合があります。
なにも特に原因がない場合には10歳頃になるとおこらなくなります。

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