慢性下痢症


慢性下痢症とは
下痢とは便の水分が増して量が増えた状態で、排便の回数が増えてきます。小児の場合、10g/Kg/日以上あるいは200g/日以上の便量を認める場合に下痢としています。
下痢が2週間以上続く場合を慢性下痢症といいます。便は水様や脂肪便のこともあります。
乳糖分解酵素であるラクターゼが欠乏することにより乳糖が分解されず、腸の中に残ることで 、腸管内の浸透圧が上がり、浸透圧性下痢症を起こすものです。
浸透圧性下痢症とは吸収されない溶質が腸管内に過剰に存在することによって、腸管内浸透圧が上昇するため、腸管の膜から腸内に水分(便が水っぽくなる)が移動することにより起こります。
乳幼児期の乳糖不耐症の原因として二次性乳糖不耐症が最も多いのです。感染性胃腸炎のあと、下痢が長引く場合には二次性乳糖不耐症が起こっている可能性が高いです。
二次性乳糖不耐症は、ウイルスによる感染性腸炎により小腸粘膜と微絨毛が傷害された結果、ラクターゼ活性が低下し、引き起こされるものです。

治療
ミルクを飲んでいる子どもたちが下痢が続いているときには、この場合ほとんどが二次性乳糖不耐症ですので、ミルク栄養児の場合は乳糖の入っていないミルク(ノンラクト、ラクトレス)を使用します。
各種のアレルギー用ミルクも使うことができます。大豆乳のボンラクトも可能です。ボンラクトはあまりそればかり飲むのは大豆アレルギーが出てくることがあるので、長く飲むことはおすすめしません。
母乳の児の場合には乳糖分解酵素の内服を行います。母乳を飲む前に内服します。回数が多い子では1日3回か4回内服します。

※浸透圧性下痢症は慢性下痢症の中の重要な原因のひとつです。慢性下痢症とは下痢が2週間以上続くものをいいます。
※下痢とは便の水分が増して量が増えた状態で、排便の回数が増えてきます。小児の場合、10g/Kg/日以上あるいは200g/日以上の便量を認める場合に下痢としています。

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