癜風(でんぷう)
マラセチア・フルフール(Marassezia furfur)という真菌が感染して起こる浅在性皮膚感染症です。表皮角質層に菌糸型で増殖し、胸部、背部に淡褐色斑ないし脱色素斑を生じる疾患です。
小児ではあまり見られません。 原因
マラセチア・フルフール(Marassezia furfur)という真菌が感染して起こるものです。
症状
粟粒大ないし半米粒大の淡褐色斑(黒色癜風)、または淡脱色素斑(白色癜風)で、普通毛穴に始まります。心は次第にくっつきあい不整形になります。メスでこすると表面には小さな皮がむけた状態になります。
好発部位は前胸部、上背部で、胸、上背(うわぜい)、腋窩、額などが多いです。他の部位にも見られます。小児では顔にも出て、白色癜風を生じることがあります。
発汗が多いところにできやすいのです。掻痒はありませんが、掻くことによって粃糠状の鱗屑が浮き上がってきます。かゆみはありません。
顔面単純性粃糠疹より色素脱失が強く、尋常性白斑とは鱗屑を伴いことで異なります。 治療
抗真菌剤のクリームの外用を行います。マイコスポール、イトリゾール、ケトクナゾール、ルリコナゾール、アモロルフィン塩酸塩などの塗布、またはイトラコナゾール内服などで効果が期待できます。
治りやすいのですが、再発しやすいといわれています。常在菌のため適度な温度と湿度があれば増殖し、発症することがあります。
一見、健康に見える皮膚でも菌糸型のマラセチア・フルフールが存在することが知られていて、、これが顕在化すると病巣を呈するといわれています。
治癒後に長期間にわたり、脱色素斑を残すことがあります。メラニン形成の阻害と共にメラノサイトの萎縮が起こるためといわれています。