遠心性環状紅斑(erythema annulare centrifugum)


遠心性環状紅斑とは
滲出傾向の少ない特殊な慢性炎症の一つで、環状の外観を呈する紅斑症です。種々の原因による皮膚症状と考えられ、感染症、リウマチ性疾患、内臓悪性腫瘍、胃腸障害などの際に出現します。
小児では比較的少ないようです。

  症状
 1)好発部位:体幹、大腿部、上腕
 2)はじめ膨疹状の紅斑として生じ、次第に遠心性に拡大してきます。
 3)環状の紅斑の片縁は浸潤があり、堤防状に見えます。(浸潤の程度は色々です。)
 4)中央は退色し、ほとんどの正常な皮膚色ですが、わずかな色素沈着があります。 
 5)表皮の変化がなく、麟屑がなく、水疱もありません。
 6)一つの紅斑は数週間続きます。
 7)かゆみは軽度です。 

治療
 1)原因の発見とその対策が必要ですが、実際には難しいようです。
 2)対症的には抗ヒスタミン剤の内服。
 3)ステロイド剤の内服は使用しません。またその外用も効果は期待できません。
   
(文献 58)

前の画面に戻る
禁転載・禁複製  Copyright 1999 Senoh Pediatric Clinic All rights reserved.