口唇・口内ヘルペス


口唇・口内ヘルペスは単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が感染しておこります。日本に住む成人の約半数はHSV-1に感染しており、間欠的にHSV-1を口腔内に排泄しています。多くの乳幼児は一緒に住んでいる成人から、口や手を介した接触感染により感染します、保育園や幼稚園に通っているいる児では、時に園での接触感染により感染することがあります。
唇や口の中の粘膜に痛みを持つ、小さな水ほうができます。唇のものは小水ほうで始まり、感染を起こすと黄色くなります。口内ヘルペスは口の中に小さなアフタ性口内炎としてでてきます。口内ヘルペスはかなり痛みがあり、食欲が落ちてきます。
反復性(繰り返す)の口唇ヘルペスのウイルス潜在部位は通常三叉神経節です。再活性化の場合はほぼ同じ部位に出現します。繰り返す度に症状が軽くなる傾向があります。 初めて感染した場合はヘルペス性歯肉口内炎となりますが、口唇・口内ヘルペスの場合は、再活性化といって、免疫系が刺激されたときに、再発によっておこってきます。きっかけはいろいろあり、疲労、感染症、外傷、強い直射日光、精神的ストレス、生理などです。1週間ほどで治癒します。反復性の口唇ヘルペスは一つだけあるいは集まって口の周り、多くは唇の赤い部分の境界に出現します。(cold sore)
ウイルス排泄期間は初感染の場合は1週間から数週間、再感染の場合は1〜4日です。

治療
ひどい症状の場合は単純ヘルペスのウイルスを抑える薬(アシクロビル:ACV)を内服します。痛み止めやかゆみ止めも使います。ひどくない場合はアシクロビルは効果はあまり期待できず対症療法のみを行います。
ブドウ球菌などの細菌がついて黄色くなっていたら、抗生剤を使います。

家庭での注意
@刺激物、塩辛いものなどは接触すると痛みがでますので、食べない方が無難です。
A周囲にはウイルスがかなり広がります。手洗いをしっかりして、唾液のついた場合はとにかくよく洗い流すことです。
B入浴はかまいません。
C健康な人でもウイルスを排出しますので、患者だけが感染源ではありません。
C再発しやすい人は休養、睡眠などしかりとり、規則正しい生活をするように心がけましょう。

保育園・幼稚園・学校
一般的には行くことができます。かさぶたになれば感染しません。
ウイルスを排出しているのは患者さんだけではありませんのでいたずらに隔離しても意味がありません。

ヘルペスひょうそ
乳幼児では指をしゃぶるため、指のささくれなどわずかな傷からHSVが感染します。水疱、膿疱の状態が続き、再発、初感染に関わらず潰瘍化を伴うことが多いようです。皮が形成されるのにも時間がかかります。
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