先天性皮膚洞



おしりのところ(腰椎部)、肛門の上にへこみがあるものをいいます。仙骨部正中線上にある毛巣洞は盲端になっていることが多いです。
へこみがある場合はよく開いて底があるかどうかをきちんと見てみます。後頭部にもみられることがあります。
仙骨部には巨大な腫瘍を認めることがあります。(奇形種)。

症状
おしりの骨のところにくぼみのできる皮膚点状陥凹や深い穴が見られます。皮膚洞の周囲には紅斑、多毛、脂肪腫、血管腫、色素沈着など異常な皮膚の症状を伴うことが多いです。これらは脊椎の異常を伴うことがあります。
硬膜(髄膜腔)との交通があることがあります。この場合は細菌がそこから侵入し、髄膜炎を繰り返し起こしてくることがあり精査が必要です。MRIにて交通を見ることができます。

治療
無症状のものは特別な治療をしませんが、脂肪腫や交通が見られることがあれば、これを摘出する手術などを行います。

院長通信
ほとんどの場合は心配ないのですが、その部分に毛が密集している場合には気になります。かなり深い場合には脳外科の先生に診ていただくことにしています。肛門とその上のチェックは欠かせません。今まで2例の脂肪腫が発見され摘出術を行いました。脂肪腫がそのままあることにより、歩行が遅れたり、歩くことがうまくできないこともあります。お二人は共に元気に成長されています。

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