陰嚢(いんのう)水腫・精策水腫


腹膜鞘状突起(精巣がお腹の中から降りてくる通路)の閉鎖がうまく閉じなかったため、端の固有鞘膜腔内というところに液体が貯まったものです。乳幼児ではソケイヘルニアを合併していることがあり、新生児には6%ほど存在するといわれています。
鞘状突起が閉じていなくて、お腹の中と陰嚢水腫に交通があるものを交通性陰嚢水腫といいます。乳幼児にはこのタイプが多いのです。両方の睾丸に水がたまることもあります。
精策水腫とは腹膜鞘状突起の精策部分に鞘膜腔が残り漿液がたまったものです。

症状
睾丸の部分がはれて大きくなっています。痛みはありません。大部分は弾力があり、波動感があります。光を当てると、光が透けて見えます。  

治療
乳児では自然に治ります。生後1年までは経過を見ます。2年を越えると自然治癒が難しくなるので、手術をすることになります。泌尿器、小児外科の先生に診ていただきましょう。
ソケイヘルニアを合併しているときには早めに手術をします。
幼児では約6割、学童では約3割が自然治癒をするといわれています。
交通性の場合は腹膜鞘状突起の真ん中を切って縛る手術です。
水腫を穿刺して、液を出す方法はむしろ治癒を遅らせることがあるといわれ、普通は行われません。


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