多汗症


多汗症とは
小児で発汗異常をきたす疾患は多汗症、無汗症、減汗症、異汗症があります。全身に発汗が増加する全身性多汗症と身体の一部にでる局所性多汗症があります。最も多いのが局所性多汗症で、手掌、足の裏などに多汗が認められる疾患です。
掌蹠(しょうせき:手のひらのこと)多汗症は思春期の患者さんが多く、成長とともに軽快すると考えられています。頻度は全人口の2.8〜4.3%と報告されています。

掌蹠多汗症
掌蹠多汗症は原因が不明で小児〜思春期に発症することが多い疾患です。手のひらに著明な発汗を認めます。手のひら足の裏に温熱や精神的な負荷、またはそれらにはよらず大量の発汗が起こり、日常生活に支障をきたす状態になることを掌蹠多汗症と定義しています。

症状
手のひらの過剰な発汗があり、汗がしたたり落ちてきます。手足は湿っていて、冷たく紫紅色を呈しています。角化を伴うこともあります。
汗疱症を合併することもあります。真菌、ウイルス感染を伴いやすく白癬、疣贅を合併することもあります。

診断
過剰な発汗が明らかない原因がないまま、6ヶ月以上続きその症状として
@両側性 A日常生活に不都合が生じる B少なくとも1回以上/週以上の多汗のエピソード C好発年齢23歳以下 D家族歴あり E睡眠中には発汗が止まっている
重症度判定
定性的測定法としてヨード紙法などがあります。

治療
局所療法
@局所の外用薬として10-50%の塩化アルミニウム液、5%タンニン酸、3%ホルマリンアルコール液、20%塩化亜鉛アルコールなどがあり、むれた手足などを十分に洗った後、寝る前にこれらの外用液を使用します。重症な症例では密封療法を行います。
※塩化アルミニウム溶液は健康保険が適応されていませんので、実費が必要です。
Aイオントフォレーシス水道水中で両手、両足に通電することにより発汗を抑制する治療法です。
B交感神経遮断術
全身麻酔が必要なので小児では難しいです。
CA型ポツリヌス毒素療法
  A型ポツリヌス毒素は末梢のコリン性のシナプスに作用し、アセチルコリンの遊離を抑制することが知られています。この作用を用いて現在眼瞼けいれんの治療薬として使用されています。皮下投与は有効と報告されていますが、強い痛みを伴うため小児では難しいです。


※塩化アルミニウムによる多汗症の治療(こころ皮膚科クリニックのホームページより)  
塩化アルミニウム溶液は、汗を出す管(汗管)の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。 ただし、この効果は一過性であるため、効果を持続させるには継続的な治療が必要になります。また、高い有効性が報告されていますが、全ての患者さんに効果を保証できるものではありません。
治療方法
脇の多汗症、手のひらの軽症の多汗症
就寝前に、脇や手のひらに塗ります。翌朝、水で洗い流します。
効果が出るまで毎日繰り返し、効果が出れば週1-2回の塗布を続けます。
手のひらの中等症〜重症の多汗症
就寝前に手のひらに大量に塗布し、さらに上からゴム手袋やサランラップで覆います。翌朝、水で洗い流します。
効果が出るまで毎日繰り返し、効果が出た後は週1-2回の塗布を続けます。 薄手の綿の手袋をしてその上から溶液を染み込ませた後、サランラップで覆うとさらに効果的です。
2種類の濃度の塩化アルミニウムを用意しました。
多汗症の治療ガイドラインでは 、
脇の多汗症には 10-35%塩化アルミニウム溶液の外用
手のひらや足の裏では20-50%塩化アルミニウム溶液の外用が推奨されています。
20%塩化アルミニウム溶液と40%塩化アルミニウム溶液を用意しています。
一般的には、脇には20%塩化アルミニウム溶液、手のひらと足の裏には40%塩化アルミニウム溶液を外用してもらいますが、濃度が高い方が治療効果は強いです。
ただし、濃度が高いほどかぶれやすくなりますので、注意が必要です。

(文献 63)

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