先天性喘鳴
喉頭軟化症 Laryngomalacia
先天性喘鳴とは出生直後ないし、数週間以内に出現する喘鳴を伴う先天性疾患の総称です。主に息を吸うときにゼイゼイといいます。
喉頭軟化(軟弱)症(laryngomalacia)がそのほとんどを占めます。男児の方が女児より多いです。その他、喉頭蓋というフタがあり、そのフタの根元に水の貯まった袋が生まれつきできていることがあり、これを喉頭嚢胞といい、このために喘鳴が起こることがあります。
喉頭軟化症は喉頭部の枠組みの構造がとても軟らかく、喉頭蓋というフタが軟らかかったり、まわりの粘膜が軟らかすぎて息を吸うときに引き込まれ、喘鳴がでます。働きの発達の遅れによる、一時的な機能異常とも考えられています。
乳児の喘鳴の原因としては最も多い疾患で、先天性喘鳴の30〜75%に認められます。息を吸う時に出現する喘鳴で、生後10日〜2週間以内に現れ、6ヶ月〜8ヶ月をピークに、多くは1〜2歳までに改善していきます。 症状
喉頭軟化症はそれほどまれなものではありません。乳幼児の喉頭の異常の75%を占めるといわれています。息を吸うときゼーゼーといいます。これを吸気性喘鳴といいます。いつも聞こえるわけではありません。皮膚の色は悪くなく、よくミルクなど飲み、体重増加も悪くありません。吸気時に首の一番下のところや肋骨の間などへこみます。多くの場合は生後数週間の間に聞こえるようになります。
診断
生後すぐに始まる吸気時の喘鳴があれば可能性が高いものです。レントゲン検査など行います。症状によって耳鼻科でファイバースコープの検査を受けます。
治療
特別な治療をしなくても数ヶ月から1年くらいで自然に消失します。症状の強いものについては精密検査が必要なこともあります。
まれに重症例では気道切開による気道確保が必要となります。小顎症(Pierre-Robin症候群など)に合併すると重症化することがあります。
新生児例では胃食道逆流症を合併すると重症化することがあり、呼吸障害によることがあるので注意が必要です。