爪甲色素線条


爪甲色素線条とは
 生後に爪甲に出現する黒色〜褐色の縦走する色素班で、爪母に色素性母斑を認めることが多いです。爪母部で産生されたメラニン色素は爪甲に移行し、爪甲に着色を生じます。
 6〜12歳の学童の爪の色素沈着は約1%という報告があります。
 爪甲における外傷や炎症に続発するものと爪甲に黒子または母斑細胞母斑があるときに生じます。
 Peutz-Jeghers 症候群では多数の爪甲に見られます。  

症状
 1)爪甲を縦に走る黒い線条
 2)幅は普通1〜数ミリ、健常な部分との境ははっきりしています。
 3)まれに左右に拡大して、爪甲全体が黒褐色を呈します。
 ◎色素沈着は生後次第に黒色調が増えることが多く、時に黒色帯の幅が拡大することもあります。しかし、いずれは色素班は消失することが多いです。

治療
幼少時に認められる爪甲帯状色素沈着は経過観察を行います。爪甲の変形を伴えば小児期でも悪性黒色腫のことがあるので慎重な経過観察が必要です
思春期以後に生じることがあり、まれに爪母に生じた悪性黒色腫が原因のこともあります。
黒線の境が不明瞭となり、黒い色素がにじむようなときには爪母の部分を切除します。

(2015.10 文献 14)

前の画面に戻る
禁転載・禁複製  Copyright 1999 Senoh Pediatric Clinic All rights reserved.