爪の形態の異常


爪甲剥離症
 爪甲遠位部で爪甲と爪床が離れた状態です。白癬性のもの、乾癬性のもの、爪に微細外傷を与える癖によるもの、マニキュアによるもの、光毒性皮膚炎、原因不明の物などがあります。

爪甲異栄養
 爪甲がボロボロになった状態です。原因は不明です。

菲薄爪
爪甲が薄くなった状態です。貧血やSLE,その他によります。

ばち状爪
 爪の末端部が肥大し、爪甲が丸くなります。ムチンや血液が貯まる状態によります。心肺疾患によることがあります。

点状凹窩(てんじょうおうか)
 爪甲の表面の小さい多数の凹窩です。尋常性乾癬や円形脱毛症で見られます。
匙状爪
 匙状の爪。貧血性、職業性など。

爪甲鈎彎症(そうこうこうわんしょう)
 爪甲が肥大し湾曲します。外傷の後などに発生します。

無爪症、矮爪(わいそう)
 爪がないか、小さいことです。生来性や外傷のあとに見られます。

爪甲横溝
 爪甲の横に溝が走り、時間の経過とともに遠位に移動するのを Beau's line といいます。熱病や薬疹の後などに生じます。多数生じるのはオニコチロマニアや湿疹のあとに生じます。

混濁して脆弱な爪
 乾癬などに見られます。

治療
   @正確な診断が必要ですが、そのためにはアトラスなどを参考にします。内臓の異常など全身性の異常からきているのか、全身性のものなのか、局所性の異常かを診断します。
 A爪は外から見えるので、外見の異常を気にする人は多いです。
 B爪甲剥離症:爪白癬があればグリセオフルビンの内服や抗真菌症の外用を使用します。乾癬性のものはチガソンの内服を使用。爪に衝撃を与える癖がある人は更正します。
   

(2015.10 文献 14)

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