貨幣状湿疹


貨幣状湿疹とは
境界鮮明な円形の湿疹病巣を特徴とします。原因は明らかではないといわれていますが、皮膚の細菌、その菌体産物、洗剤、金属その他のハプテンと表皮タンパクとの複合物が抗原性を発揮して発症するという説や感染病巣との関連などが推測されています。成人男子に多く小児ではまれと考えられています。
背景には乾皮症、皮脂欠乏症、アトピー素因がある場合が多いため冬期に下肢に好発しますが、上肢や体幹にも見られます。

症状
1)小児では体幹、次いで四肢(成人では下肢)
2)境界鮮明、円形、漿液性丘疹が集まって生じ、湿潤し痂皮を伴います。盛り上がっています。
3)同様の病巣が少なくとも複数生じます。
4)暫時色素沈着を残します。
5)かゆみが非常に強いです。

治療
1)抗生物質加ステロイド軟膏を塗布し、硫酸亜鉛華軟膏をリント布に伸ばして貼付し、包帯をしておきます。
2)かゆみを抑えるため抗ヒスタミン剤、効アレルギー剤の内服を行います。
3)ステロイドの全身投与は有効とされていますが、おすすめではありません。
その他
とにかく掻かないように爪などきれいにしておきます。
入浴時に強くこすらないようにします。
温度も低めにし、電気毛布等も気をつけます。

以上が皮膚科の教科書に書いてある代表的な考え方ですが、私は乳幼児に見られる場合はアトピー性皮膚炎を合併しているケースが多いので、食物が関係していると考えています。皮膚の治療と同時に食物の除去を試みるのも大切な治療ではないかと思います。多くはないですが、奏功しているケースを経験しています。
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