骨形成不全症


骨形成不全症とは
遺伝性の全身の結合織疾患ですぐに骨折をする病気です。繰り返す骨折の結果、四肢の変形などを来します。

原因
骨を作るタンパク質のT型コラーゲンの遺伝子異常によって起こります。コラーゲンの分子構造がもろくなったり量が減少することで起こるといわれています。

症状
2万人に一人の頻度で起こります。ほとんど症状がない軽症例から母親の胎内で骨折して生まれてすぐに死亡する重症の子どももいて、程度は様々です。骨がとても折れやすく、ほんのちょっとした衝撃で骨折してしまいます。その結果として、四肢の変形、脊椎側弯、歯牙形成不全、難聴、目の白い部分が青くなる青色強膜など多彩な症状が出てきます。骨折は大腿骨、脛骨(膝の骨)、上腕骨(腕の骨)に多いのですが、他のいろいろな部分に起こります。成人になると骨折の頻度は減ってきます。

治療
対症療法が中心です。骨折の多い小児期には骨折を予防します。それによって、変形を防ぎます。
骨折の手当、骨折後の変形の予防には整形外科の先生の助けを借りなければなりません。
機能訓練などをして移動能力を確保するようにし、骨や筋肉の強化を理学療法を通じて行う必要があります。

 元岡山大学小児科清野教授がビスフォスフォネートという薬が骨の密度を高める効果があり、寝たきりの子どもが這って移動できるほど回復した例もあると報告しています。骨は成長する過程の中で、骨細胞が作られる一方、古い細胞は壊されていき、骨の密度のバランスをとっています。ビスフォスフォネートという薬はもともと骨粗鬆症の治療に使われている薬を改良したもので、この古い細胞を壊す「破骨細胞」の働きを抑える作用があります。清野教授の話では将来治療法を確立する柱になる期待しているとのことでした。(毎日新聞2002.7.14より)

遺伝について
臨床症状と遺伝形式によって、Sillenceという人が4型に分類しています。
ほとんどが常染色体優性で一部に常染色体劣性のものがあります。
子どもの2人に1人は発症することになります。

※注)現在清野教授は平成15年4月に大阪厚生年金病院の院長に転任されました。治療は岡大で続けて受けることができます。
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