爪囲炎(そういえん) Paronychia


後爪郭・側爪郭を中心に皮膚の発赤、腫脹を来す状態です。急性と慢性があり、種々の原因で発生します。陥入爪もこの一種です。
頻度は小児、大人では20〜40歳代の女性医に多いです。

症状
 爪の周りの発赤、腫脹です。

診断
 多彩な原因を追及します。多くは生活上の物質の刺激によるものと思われますが、外傷性、感染症(ウイルス、梅毒、細菌、真菌)、薬物性(レチノイド)、 皮膚炎(湿疹、腸性肢端皮膚炎、天疱瘡、Darier病、Reiter病、Stevens-Johnson症候群、放射線皮膚炎)、膠原病、バゼックス症候群(肺がんなどによる)、爪かみ癖などのそれぞれのチェックkをしていきます。

治療
   @小児の場合は爪かみによることが多く、特に心配はないが、自ら中止させる様に工夫する。年齢によりますが、女児の場合はマニキュアをつけるということは自尊心を植え付けるといいです。
 A化膿している場合は、状態によって切開、排膿、湿布をし、抗生物質を投与します。
 Bステロイド剤を使用します。急に治癒が必要なときには内服をすることもあります。
 C女性やバーテンダーの場合には、多くは水仕事に関係があり、水仕事を軽減しましょう。湿潤が関係があるようで、ゴム手袋の使用をできるだけ避けます。
 Dカンジダが検出されても続発的で、爪囲炎の主役とは考えにくいです。
 Eparaneoplastic syndrome(Bazex症候群)では爪そのものが肥大したり、手掌足底に乾燥性皮疹が出現する。
 F難治の場合は後爪郭・側爪郭の外科的切除をします。

  日常生活指導
 根気よく原因を追及します。水仕事を関係があれば、仕事を軽減しましょう。患者の爪に関する癖をチェックします。指がウエットになることを避けます。    

(2015.10 文献 14)

前の画面に戻る
禁転載・禁複製  Copyright 1999 Senoh Pediatric Clinic All rights reserved.