結節性硬化症(Tuberous Sclerosis, Bourneville-Pringle病)


顔面の血管線維腫、てんかん、知能障害が三主徴(3種類の主要な症状)で、おもに間葉系起源の異常細胞が皮膚、中枢神経、その他の臓器病変を起こします。国内の患者数は約15000人と推測されています。 常染色体優性遺伝ですが、突然変異率が高く孤発率が多く認められます。

臨床症状
 顔面の血管線維腫は学童前期から学童期に出現します。結合織母斑である粒起革様皮、爪囲の線維腫のKoenen腫瘍もあります。葉状白斑は小児早期に出現し診断価値が高いです。
 小児早期よりてんかん発作をおこし、精神発達遅滞、知能障害をきたすことが多いです。時に脳腫瘍の発生をみとめます。
 後腹膜の血管筋脂肪腫(学童から中年)や心臓横紋筋腫(小児早期の不整脈など)もあります。

検査と診断
 大脳皮質や側脳室の硬化巣やダリア結節はCTやMRIで、眼底の過誤腫や色素異常は眼底検査で確認できます。乳幼児では心エコーで心臓腫瘍(横紋筋腫)を、思春期以降はCTなどで腎血管筋脂肪腫を検出することがあります。
 顔面の血管線維腫、知能障害、てんかんの三主微かそろえば診断は難しくありません。乳児期の葉状白斑やてんかん発作により本症を疑い、頭部CT撮影で石灰化かあればほぼ診断が確定します。

治療
 対症療法のみになります。てんかんの治療、腫瘍性病変の外科的切除、血管線維腫には削皮術、電気凝固術、冷凍凝固術、レーザー焼灼法、切除術を行ないます。
(文献 62)

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