色素性じんましん(urticaria pigmentosa)


色素性じんましん(urticaria pigmentosa)とは
 皮膚に肥満細胞が増殖し,その脱穎粒によってヒスタミンが遊離して膨疹が多発する疾患を色素性じんましんまたは肥満細胞症mastocytosisといいます。肥満細胞はごくまれに系統的に、骨、骨髄、消化管、肝、肺、脾などにも増殖し、白血病の状態を生じることがあります。
また孤立性に増殖すると肥満細胞腫となります。
 色素性じんましんは小児独特の疾患で(34例中21例)。成人ではまれです。生後1年未満に発症するのが普通です。

症状
1)生後間もなくより膨疹を生じ,あとに黄褐色の色素斑となります。
2)色素斑は全身皮膚に多発しますが、とくに体幹に多いです。
3)色素斑はわずかに盛り上るか扁平です。
4)色素斑を強くこすると赤味を増し、盛り上ります(Darier徴候)。入浴時に全身的なヒスタミン反応(顔面紅潮、動悸、下痢、腹痛、頭痛、けいれんなど)をきたすことがあります。
4)学童期までには徐々に消失します。

治療
1)全身反応のあるときだけステロイド剤の全身投与をおこないます。
2)普通は抗ヒスタミン剤の内服(とくにアリメジン:アリメマジン酒石酸塩1日3回内服 成人1回2.5mg(5ml) 1歳1回1ml 3歳1回1.5ml 6歳1回2ml)をします。

(2015.10 文献 14)

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