尿路感染症

Urinary tract infection UTI

尿が流れる道のことを尿路といいます。腎臓でつくられた尿は尿管という管を通って、膀胱に集められ、貯まったあと、排尿したくなったとき尿道という通路を通って尿道口からでます。腎臓から尿道までを尿路と呼びます。
この場所のどこかに細菌が感染すると尿路感染症といいます。腎臓に感染すると腎盂腎炎、膀胱に感染がおこると膀胱炎といわれますが、小児の場合は区別がしにくいので、腎臓が中心に感染がおこったものを上部尿路感染症、膀胱炎が中心の症状を示すものを下部尿路感染症と呼びます。上部尿路感染症の場合は上行性といって、膀胱から細菌が逆流するものと、血液から感染するものとあります。
下部尿路感染症は尿道口から細菌が逆流するものがほとんどです。

症状
上部尿路感染症
 発熱、頻尿(尿の回数が多い)、排尿痛、血尿、腹痛、嘔吐など。新生児、乳児では発熱以外不定なことも。発熱乳児の3%が上部尿路感染症です。1歳までは男児に多く、1歳以上では女児が多くなります。  

下部尿路感染症
 頻尿、排尿痛(排尿の最後に痛みが出る。)、下腹部痛、残尿感、血尿
 女性では下部尿路感染症を繰り返す傾向があります。いわゆる膀胱炎です。

採尿
カテーテル採尿、クリーンキャッチ尿。早急な感じがなければまず採尿パックで取り、UTIが疑われる場合はカテーテル採尿か膀胱穿刺にて採尿するのが望ましいです。

診断
検尿をして、尿の中に白血球が見られます。これは膿がでていることを示していて膿尿といいます。その尿を培養検査という細菌の有無の検査を行います。この培養検査で細菌数が105個が2回認められたら尿路感染症といえます。
カテーテル尿で103〜104
上部尿路感染症では白血球増加、CRP増加が認められます。

治療
尿沈渣で10-19/HPF以上であればUTIとして治療を進めます。大腸菌が最も多いです。これは病原性大腸菌とは同じものではなく大腸にいる普通の大腸菌です。
上部尿路感染症の場合、入院して抗生物質の静注などしながら治療します。発熱4日目から腎瘢痕を生じる危険性があるので発熱3日目までの治療開始が望ましいと言われています。
下部尿路感染症では抗生物質を内服します。2〜3日で症状が落ち着いてきますが、7〜10日は再発予防のため続けて内服します。

日常生活で気をつけること
@水分を多く取りましょう。
Aおしっこがでたくなったら我慢しないようにしましょう。
B便秘をしないようにしましょう。

再発予防
尿路感染症は繰り返す傾向があります。繰り返すと慢性腎炎の原因になります。再発を予防することが非常に重要です。
@症状がよくなってもしばらくは定期的に尿検査をしましょう。
A特に上部尿路感染症を繰り返した場合は尿の流れ方が異常がないか検査を受けておきましょう。
排尿するときに膀胱から尿が腎臓の方向に逆流していることがあります(膀胱尿管逆流現象)。また、腎臓や尿管に奇形が見られることがあるのです。このような場合には尿路感染症を繰り返すことが多いのです。

参考事項
病原菌は@大腸菌、Aクレブジエラ klebsiella 腸内常在菌、Bプロテウス proteus(グラム陰性桿菌 糞便細菌叢の細菌)である。その他腸球菌、緑膿菌、ブドウ球菌など。
ほとんどを大腸菌が占める。新生児では80%を占め、2番目がクレブジエラである。
抗生物質はこの三大起因菌に対してはナリジクス酸(NA:ウイントマイロン)、ミノサイクリン(ミノマイシン)、セファクロール(CCL:ケフラール)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤(ST合剤:バクタ)などが効果がある。
1才以上ではNAあるいはST合剤、1才未満ではCCL、CEX(ケフレックス)を使用する。
★実際にケフラール使用で非常に反応が良く、すぐに尿所見が回復する。ケフラール 5−10mg/kg/日。予防投与にも使用。
★予防投与 ケフラール、 バクタ 0.025g/kg/日 分1 (就寝前)
★採尿時の膀胱穿刺はやはりしにくい。できたらカテーテル採尿を。
★クリーンキャッチ尿 クリーンキャッチ法という自然に排出された尿を直接清潔な容器でとれた尿。
★大腸菌の感受性 フルオロキノロン系抗菌薬 大腸菌に対して90%以上の効果。セファロスポリン系 92-94% シタフロキサシン 100% ホスホマイシン 100% ファロペネム 100% (日本医師会雑誌 143巻 感染症診療update 215-216)
 フルオロキノロン系抗菌薬:フルオロキノロン系薬剤は,骨端線が閉鎖するまでは軟骨病変を引き起こす可能性があるため,従来から小児では禁忌とされてきた。

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