蚊が媒介する界の感染症
海外に行く際は現地の感染症に注意しましょう。国内では毎年日本脳炎の報告があります。日本脳炎ワクチンを接種しておきましょう。
日本脳炎
感染の危険のある地域
日本、東南アジアを中心とする西太平洋地域。現在の日本でも数例/年間の発症があります。
症状
潜伏期間は1〜2週間で急激な発熱と頭痛を主訴として発症します。
その後,項部硬直、意識障害などの神経症状を発現する場合があります。
致死率は約25%、患者の50%は後遺症を残し、その他は回復すると言われています。
媒介する蚊
コガタアカイエカ
ワクチン
日本脳炎の有効なワクチンがあります。
マラリア
感染の危険のある地域
主に熱帯、亜熱帯地域。現在の日本での発生は帰国者以外は極めてまれです。
主な症状
発熱と悪寒です。発熱発作の間隔は中種により異なり、発熱期と無熱期を繰り返します。
未治療の熱帯熱マラリアは中枢神経症状、急性腎不全などをきたし発病数日以内に重症化し、致死的となります。
媒介する蚊
ガンビエハマダラカ コガタハマダラカ
ワクチン
現在、マラニアに有効な国内で承認されたワクチンはありません。 ウエストナイル熱
感染の危険のある地域
アフリカ、ヨーロッパ、ロシア、アメリカほか。現在、日本には流行的発生はありません。
症状
潜伏期間は2〜14日で高熱とともに発症します。同時に頭痛、背部の痛み、筋肉痛、食欲不振などが出現します。
重篤な症状として脳炎や筋肉低下が認められています。
媒介する蚊
アカイエカ ヤマトヤブカ
ワクチン
現在、ウエストナイル熱に有効な国内で承認されたワクチンはありません。 テング熱
感染の危険のある地域
世界の熱帯・亜熱帯地域。現在、日本での流行的発生はありません。
症状
潜伏期間は2〜14日で、突然の発熱で発症します。全身の筋肉痛、全身倦怠感を呈し、胸部、体幹からはじまる発疹が出現します。
出血やショック症状を伴う重症型としてテング出血熱があり、死に至ることがあります。
媒介する蚊
ネッタイシマカ ヒトスジシマカ
ワクチン
現在、有効な国内で承認されたワクチンはありません。 黄熱
感染の危険のある地域
アメリカ、アマゾン地域。現在日本での流行性発生はありません。
症状
潜伏期間は3〜6日で、悪寒とともに、高熱、嘔吐、出血、黄疸等があります。
重症の場合には乏尿、心不全、肝性昏睡で約10%が死亡するといわれています。
媒介する蚊
ネッタイシマカ
ワクチン
黄熱に有効なワクチンがあります。(任意接種)黄熱常在地への旅行者は黄熱ワクチンの接種が必要です。
黄熱ワクチンの接種は検疫所および特別な医療機関で接種が可能です。 チクングニア熱
感染の危険のある地域
中央および南アメリカ大陸、現在、日本での流行的発生はありません。
症状
潜伏期間は2〜14日で大多数は急性熱性疾患の症状を示します。発熱と関節痛が必ず起こり発疹は8割程度に認められます。
重症例では神経症状(脳症)や劇症肝炎があります。
媒介する蚊
ネッタイシマカ ヒトスジシマカ
ワクチン
現在、有効な国内で承認されたワクチンはありません。 ジカウイルス感染症
感染の危険のある地域
アフリカ、南アジア、東南アジアなど。現在、日本での流行的発生はありません。
症状
潜伏期間は2〜12日で発熱、発疹等で発症します。ほとんどは重症化することなく、数日程度で回復します。
ジカウイルスに感染した母体から胎児への垂直感染により、小頭症などの先天性ジカウイルス感染症の可能性があります。
媒介する蚊
ネッタイシマカ ヒトスジシマカ
ワクチン
現在、有効な国内で承認されたワクチンはありません。