ABO式血液型検査


ABO式血液型検査は検査血液中の赤血球にA,B抗原が存在するかを、型判定用抗A、抗B血清を用いて検査するのを表試験(血球側検査)といい、血液中に抗A、抗B抗体が存在するかを型の分かっているA型とB型赤血球で検査するのを裏試験(血清側検査)といいます。 一般に表試験と裏試験の成績は対照的で、赤血球にA抗原がなければ血清中に抗A抗体を持ち、B抗原がなければ抗B抗体を持つという規則に従っています。これをLandsteiner の法則といいます。このため抗A、抗B抗体を規則抗体ないし、正常抗体と予備、その他の抗体を不規則抗体といいます。

ABO式血液型の遺伝子座位は第9染色体にあり、O、A、Bの各対立遺伝子が乗っています。両親から1個ずつ遺伝された一対の遺伝子の組み合わせで6種類の遺伝子型となります。
AおよびB遺伝子は共に優性、O遺伝子は劣性であります。すなわち、遺伝子型のAAとAO,BBとBOは血清型には区別ができません。

O遺伝子の有無はDNA検査で判定できます。

表試験と裏試験の結果が不一致の場合
凝集が2種類より足りない場合。 新生児ないし、乳児での血液ではまだ自分の抗A、抗B抗体が産生されていないので、裏検査が陰性になるのが普通です。
新生児で裏試験が陽性となるのは母親が胎盤通過性IgG抗A抗B抗体を多く持つO型の場合に多いのです。 凝集が2種類より多すぎる場合。
不規則抗体が存在する場合、たとえばRh抗体などの免疫抗体が産生されている場合が多いようです。

ABOシステムの亜型
基本形の再分類を亜型といいます。
欧米ではA型がA型とA,AB型がA型BとAA型B型に分かれていますが、日本人の亜型はほとんどはA型、A型Bです。

それ以外にまれにBm型、Ax型などの非凝集亜型、ないし変異型が発見されることがあります。

(2007.1.30 文献:39より抜粋) 

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