サルスベリ


サルスベリ

 サルスベリはかんかん照りの青空がよく似合う木である。暑い夏にもめげず、次々とかわいらしい花を咲かせる。どんどん咲くという感じでたくましい。水を少々やらなくてもきっちり咲いている。
ピンクの花の品種が多いが、白い花のものも大変美しい。
 この元気な花を妻が生けようとして、枝を切ったら、あっという間にしおれてしまった。大地に根付いていないとだめなのだろう。

 伯母の家の庭に大きなサルスベリの木があった。伯母はこの夏の花が好きで「サルスベリというのはサルも滑る木なんよ」といっていた。木肌はその通り、つるつるとして艶やかで確かにサルでも滑りそうだった。さわってみると見た目ほどはつるっとしていなかった。一度登ってみようとしたが、木登りが得意でもない僕にはやはりというか歯が立たなかった。不思議なことに花がたくさん咲いていたことをほとんど覚えていない。ピンクだったか白だったかも。太い幹の薄い茶色と白っぽい線が縞模様になっていたその木の肌を今でも鮮明に覚えているのに。今はその庭は人手に渡り、サルスベリもどこかに行ってしまった。

サルスベリについて

耐寒性 落葉高木または低木
分類:ミソハギ科サルスベリ属
学名:Lagerstroemia indica
別名:百日紅(ひゃくじつこう)
原産地:中国南部、アジア、オーストラリア
性状:常緑高木(寒地で落葉) 用途 小〜中鉢、庭木
特徴:夏を代表する花木の一つですが、梢の先に紅色の花をたくさん咲かせる。品種は豊富にあり、花色も紅、桃、紫紅、白、覆輪などがある。鉢植えに向く矮性品種もある。
管理:性質は強健。繁殖は挿し木。植え付けは3〜4月が適期。花は新しく伸びた枝につくので、2月ごろに前年枝のつけ根から切り取る。
6〜9月くらいに新梢の先端に咲き、百日紅という名前から来るとおり、暑さにも負けず、長く咲き続ける。夏に花をつける数少ない代表的な花木である。樹皮がツルツルしていて「サルも滑ってしまう」というところから付いたといわれている。花びらのフチが細かくフリル状になる。
暑さには強いが、寒さに多少弱い性質があるので、東北地方より北の地方では地植えに向かない。樹木であるがタネから育てられる品種もあり、2月頃にタネをまくとその年の夏には花が咲く品種もある。
(文献105)

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