shuffling baby
足を突っ張らない子、歩き始めが遅い子

shuffling baby とは座ったままでいざって移動する乳児のことです。shuffling を英語辞書で引いてみると”足を引きずって歩く”という意味です。時には脳性麻痺や神経筋疾患など基礎疾患を持っていることもありますが、ほとんどは特異な発達をするグループです。
首の座りやお座りは遅れませんが、寝返りが遅れ、あるいは寝返りせず腹臥位を嫌い、多くはハイハイをせず、下肢を突っ張ろうとせず立位が遅れるため独り立ち、一人歩きが遅れます。
これが典型的なshuffling babyの特徴です。神経学的には筋緊張低下を認めることが多いです。
頻度としては3%程度といわれていますが、このうち7割は非典型的なグループで腹臥位を苦手としない、ハイハイを早期にするようになる、立ち上がりが遅れない、shuffling の期間が短いといった点で歩行開始も遅れなかったようです。典型的な例の頻度は正確には0.8%位のようです(楢崎)。

以下のような症状を呈する場合には小児科を受診して精密検査を受けるか、専門医を紹介して頂きましょう。
@1歳6ヶ月でまだ歩行が開始していない
A明らかな神経学的異常が見られる
   著しい筋緊張低下(反張膝や外反足を伴うことが多い)、筋力低下、深部件反射異常、筋萎縮など
B言語発達遅滞を伴う

院長通信
健診の時に体を持ち上げて立たせようとしても、足を曲げて足をつこうとしない子ども達です。だいたい1歳6ヶ月位で歩くことができるようになります。
この子どもたちは座ったままでとても早く移動できるようになります。不思議な発達をする子どもたちです。今までの経験では歩けない子どもはいませんでした。 それにしても”shuffling baby”といってもおかあさんにはよく分らないし、”いざりっ子”というのも適切ではありませんし、日本語の医学用語がないのがあまり良くないですね。    
文献 1 512p

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