なぜ予防接種が必要なのでしょう
保育園は小さな子どもたちがたくさん入園します。いろいろな病気に抵抗力がない子どもたちがほとんどです。ですから、麻疹や百日咳など、感染性の強い病気がいったん発生すると、発症前にすでに感染が起こってしまっているので、なかなか予防ができません。また、長い間休ませなければなりません。
(麻疹、水痘、おたふくで約1週間、百日咳で2週間程度)
是非入園前にできる予防接種は済ませておいてください。
入園前に必要なワクチンは以下のものです。もちろん入園後も引き続き受けていきましょう。
定期接種(倉敷市内の方は無料です)
1) 1歳までに受けなければならないもの
三種混合(百日咳、破傷風、ジフテリア)、BCG:3ヶ月から受けられます
※三混1回目、2回目をしてBCGを受けた後、三混3回目を受けましょう。
2) 1歳から受けなければならないもの
麻疹+風しん混合ワクチン(MRワクチン):1歳になったら一番に受けます
3) ポリオ 7歳半までに2回受けてください。1歳過ぎてからでいいです。
4) 日本脳炎 基本は3歳から。
任意接種(お金がかかります)
1) 1歳までに受けておきたいもの
Hibワクチン 髄膜炎を起こす菌をおさえるワクチンです。この髄膜炎は抗生物質が効かず非常に重篤になります。できるだけ受けてください。生後2ヶ月からできます。三種混合と同時接種も可能です。
2) 1歳から受けておきたいもの
水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ:できるだけ受けておきましょう
3) できるだけ受けておいた方がいいもの
インフルエンザ :10月ごろから受けることができます。毎年重篤になる子どもさん がいます。是非受けておいてください。
※1歳以上では麻疹・風しん(MR)を一番に受けてください。
※ポリオは今の日本にいる限りかかることはありません。7歳半までに受けておけばいいのです。しかし、忘れないように必ず受けてください。
※BCGは定期接種として6ヶ月までにすることになっています。できなかった場合6ヶ月以上でもできます。
※日本脳炎は6ヶ月からできます。かかると死亡したり脳の後遺症を残す可能性のある非常に怖い病気です。必ず受けておいてください。
◎予防接種(ワクチン)は3ヶ月から受けてください
三種混合ワクチンは百日咳、破傷風、ジフテリアの3つがいっしょになったワクチンです。なぜ、こんなに早くこのワクチンが必要なのでしょうか。
百日咳という病気は1歳以下、特に6ヶ月以下でかかると、命取りになるほど怖い病気です。しかも、かかりはじめは、なかなか百日咳かどうかわかりません。ほかの子供や、兄弟が、かかっていても、はじめのうちは百日咳かどうかわからないので、気がつかないうちに菌が広ってゆきます。せきはひどいのですが、夜だけせきをし、昼は熱もなく元気がいいのでなおさらです。
保育園では2〜3ヶ月の乳児から、小さな子どもたちといっしょに生活をしていますから、ますます、危険は増すばかりです。乳児の部屋で、いったん百日咳の子が出ると、すでに診断までに何日もたっていますから、感染を抑えることはほぼ、不可能なのです。
是非、国がすすめている最低年齢の3ヶ月で、このワクチンをしていただきたいのです。
その後3週間後に1回した後、4ヶ月でBCGを受け4週間後に三混3回目をすれば6ヶ月までに大切なワクチンができてしまいます。
◎インフルエンザワクチン
インフルエンザは毎年流行します。子どもたちはインフルエンザのため毎年脳炎・脳症の危険にさらされ、また2009年の新型インフルエンザの流行のように呼吸不全を起こしてなくなる子がまれではありますが、おられます。インフルエンザワクチンは感染予防には効果がいま一つですが、重症化の予防には効果があります。是非受けておいてください。
◎Hibワクチン
2009年よりHibワクチンを受けることができるようになりました。Hibとは正式名はインフルエンザ桿菌b型といわれているもので乳幼児に髄膜炎という怖い病気を起こす病原体です。毎年流行するインフルエンザとは違うものです。抗生物質が効きにくく、急激に命を落とすことがある病気です。日本中で年間約600人の子どもたちがかかっています。世界中でおこなわれていますが、ようやく日本でも2009年よりこのワクチンができるようになりました。生後2ヶ月からできます。
ワクチンのスケジュール
生後2〜7ヶ月で開始、4〜8週あけて3回、その1年後に追加接種1回の計4回です。この時期は三種混合ワクチンと時期が重なりますが、同時接種が可能です。なお1歳を過ぎていたら1回だけの接種になります。お金がかかりますが、是非受けておいて欲しいワクチンです。