鶏卵アレルギーの子に予防接種するときの注意点

 培養基材に孵化鶏卵を用いているワクチンには、以下のものがあります。
  @インフルエンザワクチン(発育鶏卵)
  A黄熟ワクチン(ニワトリ胚細胞、SPF鶏卵)
  これらのワクチンについては、以下の点に留意して接種することが重要です。
 鶏卵アレルギーがあっても全身症状あるいはアナフィラキシーを起こしたことがなければ通常特に問題なく接種が可能です。
@については発育鶏卵の尿膜腔で増殖したインフルエンザウイルスを原材料として製造されています。
近年は高度に精製されていますがごく微量の鶏卵由来成分が残存し、これによるアレルギー症状が稀に起こることもあります。
したがって、鶏卵アレルギーの人は接種要注意者に該当します。インフルエンザに罹った場合のリスクと鶏卵アレルギーの程度によりワクチン接種に伴う副反応とのバランスを考慮し、接種を判断します。
Aについては、ワクチンウイルスを培養する際にニワトリの胚細胞を使い、さらにそれをSPF鶏卵で培養増殖後精製しているため、鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈するおそれのある人には注意が必要です。また、このワクチンにはゼラチンが含まれていますので、ゼラチンアレルギーの 人は注意が必要です。
※MRワクチンや麻疹ワクチン(ニワトリ胚細胞)、おたふくかぜワクチン(ニワトリ胚細胞)については、卵白タンパク質と交差反応性を示すタンパク質の含有量は製造企業より多少の差は弗りますが、いずれも極めて少ないので、鶏卵アレルギーがあっても接種可能です。鶏卵そのもめは使用しておらず、鶏卵アレルギーを理由に接種できないということはありません。ただし、ワクチンに含まれる他の成分によるアレルギー反応を起こすことがありますので、鶏卵に限らず強いアレルギー症状を有する者には、問診を含む予診を十分に行い、接種医師が可否を判断します。あるいは、専門医に相談してください。

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