こどもの水の事故を防ぐために

 厚生省の調査によると、毎年国内で4才以下のこどものうち約 300名が不慮の事故により溺死しています。  京都第2赤十字病院小児科の水田隆三部長は過去17年間にあった高校生以下の水の事故計 604例を分析し、第39回日本小児保健学会で報告しました。
それによると第1位は家庭の浴槽で起きた事故の 286人(47%)で、それ以外に洗濯機の水槽に落ちるなどの事故を含めると 307人(51%)が家庭内で溺れているのです。さらに浴槽内の事故は冬季にも年間事故件数の13%発生し、2才以下の乳幼児に多くみられます。
時間帯では親が家事に追われる午後にまた、大都会よりも地方都市にそれぞれ多くみられます。

 なお、非常に重要なことですが、水に漬かってから5分以内に救出されたケースでは8割以上が後遺症もなく回復しているのです。そこで、日本小児科学会では「こどもの水の事故防止に関する提言」をまとめて注意を喚起しています。  

  1. 浴室の出入口にはこどもの手の届かぬ高さに取っ手かカギをつける。
  2. 乳幼児のいる家庭では、浴槽に水を張ったままにしない。
  3. 浴槽のふたは厚く硬い素材にし、こどもが上に乗っても落ちないものにする。
  4. 洗濯機の水を必ずぬいておく。
       (4.は筆者追加)

 以上が家庭内の問題ですが、家庭外では先に述べましたが、児島地区など地方では川、池、プール、海など水辺の事故が多いのです。ため池なども多く水際で簡単に遊ぶことができるためと思われます。

 この戸外での事故を防ぐためにいちばん大切なことは、こども達だけで決して水辺に行かせないこと,そして
連れていったときも決して目を離さないことです。

そして、もしいなくなったと思ったら、すぐにそこにいるすべての人を動員して水際を、"沈んでいるかも知れない"と考えて水の中もくまなく探してください。
そして、万が一水に沈んでいるのを見つけたら、1分、1秒でも早く呼吸を再開させることが最重要事項です。とにかく、息をさせます。マウス・トゥ・マウス(口で直接息を思いきり吹き込む)をして呼吸を再開し、同時に他の人がいれば心マッサージを行いましょう。
現実には水を呑み込んでしまう前に喉頭けいれんで呼吸が止まっていることが多いので一刻も早く呼吸をさせることがその児の一生を決めるといっても過言ではありません。

こどもが水辺にいるときは決して目を離さないことが最も大切ですが、万が一溺れた時にはできるだけ早く見つけて呼吸をさせます。早く見つければすぐに呼吸は再開します。あなたの一吹きでこどもを救う事ができるのです。


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