アデノウイルス感染症


アデノウイルス感染症とは
 アデノウイルスはその感染により咽頭結膜熱流行性角結膜炎、滲出性扁桃炎の他、急性胃腸炎、出血性膀胱炎、重症肺炎などいろいろな臨床症状を示します。
アデノウイルスは51種類あるといわれており、そのうちのいくつかが上記のような疾患を起こしてきます。
感染は飛沫や接触によって起こります。
それぞれの疾患により症状は変わってきます。
急性胃腸炎を起こすものを腸管アデノウイルスといい、胃腸炎の11%くらいといわれています。下痢、腹痛、嘔吐などの消化器症状を示し、発熱は余りありません。

アデノウイルス7型による重症肺炎
原因

アデノウイルス7型(3,21型もある)が乳幼児に感染し重症肺炎を起こすものです。
心臓や肺に基礎疾患を持つ小児に致命的な呼吸器感染症を起こすことがあり、海外では死亡例も報告され、国内でも報告されています。基礎疾患がある子については重症化する恐れがあるのです。
日本では3型が多く見られます。3型に比べ7型の方が熱が高い傾向があるものの、特徴的な症状はないようです。ただ、激しい咳などを伴ったり、下気道症状が強い場合、要注意です。

症状
発熱、咳、呼吸障害のほか、意識障害、けいれん、浮腫、嘔吐、下痢、出血傾向、低血圧、喘鳴、筋肉痛、咽頭痛など多彩な症状を呈します。
血液検査ではいろいろな異常が見られ、白血球減少、貧血、血小板の減少などを示します。
合併症として、肝機能障害、脳炎・脳症、胃腸症状、腎、心臓にも多彩な障害をきたします。
死亡率は10%以上といわれています。

診断
すぐに結果が分かる、迅速診断キットを使用すれば、アデノウイルスの感染の有無を確認できます。

治療
 治癒させる薬はありません。対症療法しかありません。細菌感染が合併していると思われるときには抗生物質を使用します。
血液中のサイトカインが高いときにはステロイドやガンマグロブリンが使用されます。

※感染は飛沫、接触によって起こるため、感染が疑われた患児との接触を避け、医師や看護師の手指や白衣、患者の衣服の消毒を徹底することが重要です。患児のケアをした医療スタッフはオスバンアルコールなどで手指を消毒します。また、衣服や下着は0.2%次亜塩素酸ソーダ液に2時間浸します。
手洗いは流水でよく洗い流します。消毒には90%エタノールが有効で、白衣などは高圧滅菌処理(120゜C 2気圧)が望ましいです。金属には煮沸消毒が有効です。
ウイルスは糞便にも出てくるので、糞便の処理も必要です。
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