キャンピロバクター腸炎
キャンピロバクター腸炎はキャンピロバクター菌が感染して起こる腸炎です。キャンピロバクター菌は牛、ブタ、、ヒツジ、ニワトリ、小鳥類の腸管に広く分布しているので、これらの動物の排泄物によって汚染された肉や牛乳などを食べることにより感染します。
また、本菌に感染した犬、猫、などのペットを介して、経口感染します。したがって、本菌もサルモネラ菌はと同じように人畜共通の病原菌です。潜伏期間は2〜11日(平均5日)です。
症状と経過
発熱、腹痛、嘔吐、下痢です。下痢には粘液,膿、血液がかなり混じることがあります。
腹痛はかなり強いことがあり、下痢も非常に回数が多くなることがあります。便が軟便だけのこともあります。便だけみてもサルモネラ腸炎とは区別できません。
4〜7日間ほどで、主要症状はとれ、次第に良くなります。サルモネラ腸炎に比べると少し全体に軽い印象です。
診断
便の中の菌を培養して調べ、キャンピロバクター菌が検出されれば確定します。
治療
最初に症状が強い場合は抗生物質を使いますが、それ以外は整腸剤などを使うのみです。
症状が強い場合は絶食にして、輸液などを行います。入院が必要なこともあります。
食事
食事療法が重要です。
下痢が激しいときは、水分だけにします。お茶、ポカリスゥエット、おもゆなどを与えます。水分は多く取らせましょう。
少し便が良くなったら、便と同じ固さのものを少量ずつあげます。
乳製品、冷たいもの、油で揚げたもの、繊維の多いものは避けます。
下痢のときの食べ物を参考にしてください。
注意すること
生のものは食べないこと。
動物などにさわったあとは手をよく洗いましょう。
便が良くなっても便の培養で2回菌が陰性になるまで検査を行っておきましょう。