リンゴ病(伝染性紅班)


リンゴ病(伝染性紅班)は頬の両側に赤い発疹ができる病気です。潜伏期は7〜25日くらいです。

原因
ヒトパルポウイルス(B-19)というウイルスが感染しておこります。飛沫感染です。

症状
顔面特に両側の頬に赤い発疹がでます。1〜2日後に腕の外側、大腿部に少し大きめの赤い発疹がでてきます。1週間ほどで消えます。ひどい場合は全身に出ることもあります。ほっぺの赤みも均一のこともあればまだらになっていることもあります。下肢に強く出ることもあります。
リンゴのほっぺといわれるように頬が赤くなるので、リンゴ病といわれます。
熱はほとんどでません。かゆみがある程度です。まれに倦怠感、関節痛などがおこることがあります。
一年中発症し、好発年齢は6〜12歳の学童期に多く見られますが、あらゆる年齢層に見られます。0歳児にもあります。一度感染すると終生免疫を得るといわれています。
成人の感染ははっきりした症状がないことが多く、発症しないことや典型的な症状を見ることは少ないようです。関節炎などの症状のみのこともあります。

治療
特にありません。かゆみや関節など痛みがあるときには対症療法をします。

家庭での注意
入浴はかまいません。長湯はひかえましょう。

保育園・幼稚園・学校
発疹がでている頃にはすでに感染する時期は過ぎているので、隔離をする必要はありません。発疹出現前、1週間位の時に感染します。感染力はあまり強くありません。

予防
ありません。

その他の注意
妊婦の場合
 合併症として妊婦が感染すると胎児水腫などのため流産することがあります。
胎児の赤血球寿命は45〜70日と短く、造血が亢進しているためパルポウイルスB-19 の影響が大きく、妊娠11〜19週の感染では非免疫性胎児水腫の発症する危険が大きいといわれています。胎児水腫の疑いがある場合には、胎児の超音波検査、母胎のαフェトプロテインの上昇が良い指標となります。(文献 40)

発疹が消えてから、日光刺激を受けたり、温度変化や強くこすったりすることで発疹が再び出ることがあります。これはまた自然に消えてゆきます。

ひとりごと
リンゴ病なんて変な名前ですね。学校や幼稚園、保育園ではうつるかもと心配されますが、心配はいりません。
診断はほっぺではなくて、腕の外側の発疹の出方でつけます。レース模様といわれるまだらの発疹が特徴的です。時に全身にたくさんの発疹がでて、風しんと間違われることがあります。全身にでている場合は判断が難しいことがあります。


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