流行性角結膜炎


アデノウイルスによる結膜炎で、伝染力が強く学校や幼稚園、保育園で大流行することがあります。アデノウイルスD群の8,19,37型、E群4型、B群の3,11型などが報告されています。夏期に多発します。潜伏期は1〜2週間です。

症状
目やに、涙が多い、結膜の強い充血、まぶたの腫れ、結膜に濾胞(袋状のもの)、角膜に点状の混濁が見られます。
耳前リンパ腺(耳の前にあるリンパ腺)が腫れ、圧痛があります。

診断
特徴的な症状とウイルス抗原、ウイルス核酸あるいはウイルスの検出を行います。簡単なウイルスキットがありますので、外来で検査が可能です。

治療
乳幼児ではいろいろな細菌(緑膿菌や溶連菌)の混合感染予防に抗生物質の点眼を併用します。
乳幼児期までは偽膜をつくりやすく、偽膜除去が必要です。目を開くのが困難なことがあり、この場合、角膜に異常がないか注意して経過を見る必要があります。
1〜2週間で治癒します。
角膜上皮下混濁に対するステロイド点眼液を使用します。
抗生物質点眼液1日4〜5回で経過をみ、耳前リンパ腺腫脹や全身症状が強ければそれに応じて、抗生剤の全身投与を追加します。

感染予防
涙、眼脂で汚れた指やタオル類からの接触感染によりますので、手指を清潔に良く洗い、器具やおもちゃなどよくさわるものも洗い、清潔にしておいてください。
発症後10日前後の自宅療養が必要です。

※コンタクトレンズを使用しているとき、レンズケアを適切にしていない場合には起こることがあります。
(感染症の診断治療ガイドライン2004)

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