A型肝炎


A型肝炎はA型肝炎ウイルスの感染によって、肝細胞が傷害される病気です。小児では不顕性感染が多いので、あまりみられません。

原因
A型肝炎ウイルスは魚介類などに含まれていて、これを食べることによって、感染します。経口感染ですので、家族内や施設内で発生してきます。潜伏期は2〜6週間です。

症状
他のB型肝炎やC型肝炎と症状は変わりません。非常に全身がだるくなり、食欲不振、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛などが出現します。
小児の場合、無症状のまま、たまたま血液検査をしたときに発見されることがあります。
発熱はかなりの頻度ででます。
ほとんどの場合、病気の回復期に黄疸が出現してきます。

診断
肝機能検査を調べると異常が認められます。急性期にA型肝炎ウイルスの抗体がみられます。便の中からもウイルスが検出されます。

治療
@安静
A食事療法(高蛋白食、低脂肪食)
B輸液など。
以上のような対症療法で、良くなるのを待ちます。

経過
ほとんど、2〜4週間で治ります。
B型肝炎のように慢性化することはありません。

予防
食品を取り扱うときには特に注意をしてください。
生水や生食は避けましょう。排便後の手洗いを徹底しましょう。

ワクチン
不活化ワクチン
があります。16才以上の人が対象ですので、小児には、適応がありません。1回0.5ml、2〜4週間間隔で2回接種により高率に免疫を獲得し、さらに24週を経過した後の3回め接種で長期に抗体価を維持することができます。
海外渡航特にアジア、アフリカ、南米などに出かけたり長期に滞在する方はワクチンをおすすめします。
15才以下の接種は認可申請中とのことです。

ワンポイント
小児ではあまり見ることはありません。私自身A型肝炎はほとんど経験がありません。成人でも日本で問題になることはあまりないようです。
しかしながら A型肝炎の世界の患者報告数は約140万人前後といわれており、日本を含む先進国では抗体保有人口の減少によって多くの人が感受性があり、(かかる可能性があること)いったんHAVが持ち込まれると大流行を起こす恐れもあるといわれています。 海外渡航されるときには要注意でしょう。
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