夜驚症


夜驚症とは夜間入眠2〜3時間後に突然大きな声を出し、起きあがったり何かにおびえたように泣きわめくとともに、歩き回ったり、走り回ったりする突発性の睡眠障害の一つと考えられています。 夜驚症の持続時間は大部分は数分以内と短く、翌朝、患児はこのことを全く覚えていません。3〜10歳くらいの男児で神経質な子どもに多く見られます。
この年齢での頻度は約1〜3%と考えられています。家族性の素因もみられますし、情緒障害として何らかの心理的要因も考えられています。

症状
発症する時間は脳波でみると徐波睡眠期にみられます。もっとも深い睡眠相です。
睡眠中に突然、恐怖におびえたようにぎゃーぎゃーと叫んだり、ベッドから飛び上がったり、部屋を走り回ったりします。頻脈、速い不規則な呼吸、発汗、瞳孔が広がるといった症状となります。ほとんど数分以内で、翌朝、子どもは全く覚えていません。ときに悪夢を見ていたことを断片的に覚えていることがあります。
脳波には発作性異常波は認められません。
てんかんの一種である、複雑部分発作(精神運動発作)と区別が難しいことがありますので、小児科、小児神経科にご相談ください。

対策
規則正しい生活、睡眠の環境を整えること、睡眠のリズムを大切にすることなどが基本です。
症状が激しい場合、日常生活に支障が出るとか、走り回ったりすることで危険がある場合には、お薬を使うことがあります。
2〜3年を経過すれば少なくとも10歳頃にはよくなっていきます。


前の画面に戻る 泣き入りけいれんへ
禁転載・禁複製  Copyright 1999 Senoh Pediatric Clinic All rights reserved.