汗疱症 (かんぽうしょう)
汗疱症(pompholyx)とは
主として掌路における汗貯留現象をいい、表皮内に水疱を作る状態です。若い成人と小児にしばしば見られます。
症状
1)好発部位:手掌、指の側面。
2)手掌では皮内に埋没したような、潮紅のある丘疹ないし小水痢として生じてきます。指の側面では炎症性の潮紅のない小水抱が普通です。
3)水痢が吸収されると鱗臍繰となり、表皮が剥離する。
4)局所的な多汗症hyperhidrosisは一時的な発汗異常の汗疱とは異なります。持続的な発汗の増多があると掌蹠はふやけます。指では側面に著しくでてきます。
治療
1)汗疱では汗疱状の白癬、白癬疹および接触皮膚炎とまず区別しなくてはなりません。
2)汗疱は汗が適当に蒸散すれば治療の必要はなく、油っぽい軟膏は好ましくありません。かゆみが強いときにはステロイドクりームを使用します。
3)麟屑縁または表皮剥離は爪で剥がないようにし、ハンドローション、チョコラザーネをうすく塗ります。
4)掌蹠の多汗症に対しては塩化アルミニウム液、ホルマリンアルコールを塗ります。
(文献 58)