神経線維腫症 1型(フォン・レックリングハウゼン Von Recklinghausen病)


神経線維腫症 1型(フォン・レックリングハウゼン病)とは
多発性のカフェ・オ・レ斑、腋窩やそけい部の雀卵斑様色素斑、多発性・散在性の皮膚神経線維腫です。神経や骨、眼などにも多彩な症状を呈します。

原因
不明です。日本の患者数は約4万人、出生約3000〜4000人に一人の割合で生じます。
常染色体優性の遺伝疾患ですが、患者の約半数は突然変異による弧発例と考えられています。

症状
カフェ・オ・レ斑、皮膚、神経の神経線維腫、びまん性神経線維腫、雀卵斑様色素斑、虹彩小結節、脊椎弯曲、四肢骨の変形、骨折、頭蓋骨、顔面骨の欠損などが見られます。
50〜75%に学習障害を認めます。
身長は平均以下で頭囲は平均以上になることが多いようです。
高血圧の頻度が高く、多くは本態性ですが、時に腎動脈狭窄や褐色細胞腫が原因となります。
もやもや病を合併することがあります。典型例では内頸動脈、中大脳動脈、前大脳動脈の狭窄や閉塞を来します。

診断
診断基準
 1.6個以上のカフェ・オ・レ斑
 2.2個以上の神経線維腫(皮膚の神経線維腫や神経の神経線維腫など)、またはびまん性神経線維腫
 3.腋窩あるいはそけい部の雀卵斑様色素斑
 4.視神経膠腫
 5.2個以上の虹彩小結節
 6.特徴的な骨病変の存在(脊柱、胸郭の変形、四肢骨変形、頭蓋骨・顔面骨の骨欠損
 7.家族内に同症の存在
 7項目中2項目以上で神経線維腫1型と診断します。

その他の参考所見
 1.大型の褐色斑
 2.有毛性褐青色斑
 3.若年性黄色肉芽腫
 4.貧血母斑
 5.脳脊髄腫瘍
 6.褐色細胞腫
 7.悪性末梢神経腫瘍

※診断のポイント
カフェ・オ・レ斑は多くは出生児から見られる扁平で盛り上がりのない斑であり、色は淡いミルクコーヒー色から膠褐色に至るまで様々で色素斑内に色の濃淡は見られません。通常大きさは1〜5cm程度で、形は長円形のものが多く、丸みを帯びた滑らかな輪郭を呈します。(小児では大きさが0.5cm以上あればよい)
※皮膚の神経節腫は常食あるいは淡紅色の弾性軟の腫瘍であり思春期頃より全身に多発します。圧痛、放散痛を伴う神経の神経線維腫やびまん性に隆起したびまん性神経節腫線維腫が見られることがあります。

診断するときの注意点
 1.患者の半数以上は弧発性で、両親ともに健常のことが多いです。
 2.幼少時期にはカフェ・オ・レ斑以外の症候は見られないことも多いため、疑い例では時期をおいて再度診断基準を満たしているかどうかの確認が必要です。
 3.ここの患者にすべての症候が見られるわけではなく、症候によって出現する時期も異なるため、症候の合併率や初発時期を考慮する必要があります。
 4.重症度分類は神経皮膚症候群研究班が作成したものを用います。stage4またはstage5と診断されたものは特定疾患治療研究事業における医療費の補助・給与の対象となります。


検査
発育、発達、血圧、びまん性神経節腫線維腫の出現、四肢骨、脊椎の変形などの骨病変の有無をチェックします。
頭部MRIで約60%にT2高信号病変を認めることがあります。治療は必要ありません。

治療
根本的な治療はなく、対症療法のみです。
(2012.9 文献 48)

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