風疹
風疹は風疹ウイルスが感染し、全身に小さな赤い発疹ができる病気です。潜伏期は約2〜3週間です。風疹ウイルスに感染しても発症しない、不顕性感染は25%前後といわれています。
発熱は一般に軽度で、あまり高熱は出ません。熱のないこともかなりあります。発熱と同時に発疹が出現します。発疹は頚部、顔などから出始め、次第に腕、四肢の方に移ってゆきます。そのまま上から次第に消えていきます。発疹の出現前から全身のリンパ節が腫れます。子どもの風疹は軽い病気です。成人でかかるとかなり、高熱と強い発疹で苦しい思いをします。
診断
発疹、リンパ節の腫脹、熱の出方などで診断します。これがあれば風疹といえるという確実な所見がないので、意外に診断は難しいのです。そのため誤診が多い病気です。
確定診断は血液検査をします。発疹出現後3日以内の急性期血清と10日以後の回復期血清の赤血球凝集阻止試験(HI)で4倍以上の上昇を認めれば確定します。風疹IgM抗体は再感染でも上昇する場合がありますので、注意が必要です。 治療
頭痛や関節痛、かゆみに対する薬を使います。特別な治療はありません。 合併症
合併症としてまれに脳炎を起こすことがあります。また、血小板減少性紫斑病を続発することがあります。
家庭での注意
風呂:熱がなければさっと入れてやります。
保育園・幼稚園・学校
発疹が消えたら行くことができます。
3〜6日くらいで治ります。
予防
◎ワクチンが有効です。必ず受けておきましょう。平成18年度よりMR(麻疹、風疹混合)ワクチンになり、2回接種となりました。
その他の注意
@高熱が続き、頭痛を訴え、頻回に吐く場合は早めに診察を受けましょう。
Aワクチンを受けていなかったり、風疹にかかったことがない妊婦が妊娠初期に風疹にかかると赤ちゃんは目や耳、心臓に奇形ができる先天性風疹症候群という病気にかかって生まれて来ることがあります。流産の原因にもなります。これを防ぐために必ずワクチンを受けましょう。
B風疹は意外と確定診断の難しい病気です。乳幼児の頃は他のウイルスでよく似た発疹が出ることがあるので、間違われることがあります。実は誤診が大変多い病気です。乳幼児期に「風疹かな?」と自信なく言われた場合はワクチンを受けておきましょう。よくわからない場合は必ずワクチンを受けておいてください。
※成人男性の流行が増えています。
平成6年まで中学校3年生の女子だけに風疹ワクチンをしておりましたので、男子の抗体がありません。
そのため現在20〜40歳の成人男性の風疹が流行しています。そこから風疹の抗体を持っていない妊婦さんが感染すると先天性風疹症候群が起こることがあるので、かかった証拠がなかったりワクチンをしていない男性はワクチンを是非受けておいてください。 先天性風疹症候群
妊娠初期の風疹の免疫のない妊婦が罹患すると、胎児が風疹に感染し、先天奇形をもたらす疾患。妊娠初期ほど発生率が高く、感染時期に形成される器官、臓器に及ぶために生じる障害は妊娠1〜2ヶ月では白内障、心奇形、難聴など(20%)。3ヶ月以上(7%)では難聴、先天異常の他に低体重、血液疾患、脳炎などを起こすことがある。