風疹ワクチンについて・Q&A


 平成17年4月1日から麻疹と風疹ワクチンがいっしょになり、MRワクチンとなります。しかも2回接種になります。
注意点は年齢制限があり、1歳から2歳未満と5歳から7歳未満(しかも小学校に上がるまで、)という私達が考えても不自然な方法です。お近くの小児科できちんと説明を受けていただいて、できるだけ早く受けて下さい。

昭和52年から定期接種として導入され,現在5種類のワクチンが用いられています。
 わが国では風疹ワクチンは先天性風しん症候群の出産防止のため,以前は中学生女子を対象に定期の予防接種が行われてきました。しかし,風疹の罹患年齢は5〜9歳が中心であり,中学生女子に免疫をつけるだけで,流行の中心となる小児を自然感染するままに放置するという方式では,全国的な流行を抑えることはできませんでした。そこで平成6年の予防接種法の改正により低年齢層への接種も行われるよう,生後12カ月から男女の区別なく接種されるようになりました。ただし,小児期に接種を受けた年齢が中学生になるまで,現在の中学生の接種は男女とも継続されます。さらに定期接種の年齢が12カ月から90カ月になったので,90カ月に近い小学校1年生にも,しばらくの間接種が行われることになりました。

Q 風疹ワクチンの接種後に通常認められる副反応にはどのようなものがありますか

A  小児の接種では,発熱,発疹,リンパ節腫脹はほとんど認められません(4%以下)。成人女性に接種した場合,1〜2週間後に関節炎が認められることがありますが(6%以下),数日から1週間で治癒します。重篤な副反応の報告はほとんどありません。ワクチン接種後1〜2週間に接種を受けた者の咽頭よりワクチンウイルスの排泄が認められることがありますが,周囲の風疹感受性者(風疹の抗体を持っていない人)に接触感染することはありません。

Q 家族に妊娠5ヶ月内の妊婦がいる場合、子供に風疹ワクチンを接種してもいいでしょうか

  風疹ワクチン接種後3週間以内に被接種者の咽頭から一過性にワクチンウイルスの排泄が認めれますが,周囲の風疹に対する感受性者に接触感染を起こしませんので,接種してさしつかえありません。

Q 授乳期に風疹ワクチンを接種すると乳汁中に風疹ワクチンウイルスが排泄されると聞きましたが、乳児に影響はないのでしょうか。また次の妊娠に備えてなるべく早く風疹の予防接種をしたいのですが.分娩後どれくらい経過したら接種が可能でしょうか。

  A  米国の報告によりますと,風しんワクチンウイルスは乳汁中に排泄され,母乳で保育される乳児に一時的に抗体産生が認められると報告されています。しかし,乳児は無症状であり,抗体産生も低く,かつ,一時的であってこのような形で乳児に風疹の免疫を与えるにはいたらなかったとされています。分娩後割合早い時期にワクチン接種を受けてもそのために授乳中の乳児に重篤な風しん感染が起こるようなおそれはありません。常識的には,分娩後ほぼ体力が正常に回復した3カ月以後はいつでも接種できますが,その健康状態については産科医に相談することをおすすめします。
   Losonsky,GA.et al:J.1nf,Dis.145,654,1982

Q おたふくかぜ、はしかなどに感染している場合,風疹の予防接種は1カ月間受けるべきではないと考えてよいですか。この場合「治癒後1カ月」ですか。「発病後1カ月」ですか。また、本人ではなく、家族又は近所の子供が発病している場合の間隔及び接種はどうでしょうか。

  現在,予防接種を受ける人がおたふくかぜ,麻疹,風疹などに自然感染している場合には,ワクチンの接種をさけて下さい。感染症の種類やその症状によっても,発病後の治癒までの期間は異なりますが,普通は「治癒後1カ月」と考えることがよいと思います。「発病後1カ月」では,感染症の種類によっては防御機能の回復が十分といえない場合があります。したがって,この免疫機能の回復や体力の回復を十分に見定めるため,一般的に「治癒後1カ月」とされています。特に経過が長びいたり,慢性化している場合には注意が必要で,接種するかどうかの判断は,問診及び予診によって接種医師が慎重に決定すべきものです。
 また,家族等の発病者がいても本人が接種不適当者の事項に該当していなければ接種してさしつかえありませんが,当日の本人の健康状態を十分に把握したうえ,接種医師の判断を仰ぐのがよいと思われます。
この場合,本人がすでに風疹ウイルスに感染して潜伏期間内にあれば,ワクチンの効果が現れる前に発病することもあります。

Q 風疹ワクチンの効果の持続期間は何年くらいでしょうか。

  風疹ワクチン0.5mlを皮下に1回接種しますと,95%の人が免疫を獲得します。持続期間についておよそ15年経っても抗体価はあまり低下していないという成績が得られていますが,やはり周囲に風しんの流行がないと抗体価は次第に下がってきます。しかし抗体が下がっていても、ほとんどの場合感染をしないといわれています。

Q 妊娠可能年齢層の女子に風しんワクチンを接種する場合,特に注意することがあるでしょうか。

  風疹に対するHI抗体が陰性であることを確認した上で,妊娠していない時期(生理期間中またはその直後がよい)にワクチン接種を行い,その後2カ月間避妊するよう注意する必要があります。誤って受胎3カ月以内に風しんワクチンを接種したときのワクチンウイルスによる胎児への影響は否定されていませんので,妊婦は風しんワクチンの接種不適当者であることに変わりはありません。
 万一,妊娠中に風しんワクチンの接種があった場合,出生児の臍帯血の風しんIgM抗体の測定は,他の原因による先天性奇形と判別する上で重要です。
   加藤茂孝:日本医事新報,3418、43、1989

Q 風疹ワクチンの接種を受けても抗体ができない場合があると聞きますが,どのくらいの割合でしょうか。

  今まで多くの試験が行われており,その結果を総合し約5%以下と考えられています。

Q 風疹ワクチンは,成人女性では抗体のない場合に接種するといわれましたが、抗体陽性者に接種してはいけないのでしょうか。

  抗体陽性の成人女性に風しんワクチンを接種しても,何ら問題はありません。抗体価が低い場合は抗体価を高めることになります。  抗体陽性の女性が妊娠しているときに誤ってワクチン接種をうけた場合,血中抗体によってワクチンウイルスは中和されますので,ワクチンウイルスが胎盤を通過して胎内感染を起こすようなことにはなりません。

Q 風疹の流行があるのは.ウイルスがひそんでいるためでしょうか。

A  前九州大学植田教授の研究結果によると,欧米諸国では風疹は常在し,毎年患者の発生がみられ,6〜10年の周期で流行し,患者の増加がみられます。これに反して台湾では,ほぼ10年ごとにひとつの大きな流行の波があって,その後風疹は全くみられていません。わが国の福岡県については,昭和40年代後半までは風しんは突発型流行の様相であったものが,50年代に入ってからは風しんは常在的発生の様相をみせ,ほぼ数年の周期で大流行がみられ,わが国の立地条件,社会情勢の変化などから風疹が欧米型の常在性を示しており,風しんウイルスがひそんでいたことをうかがわせています。徳川らの調査でも昭和38年以降の20年間に全国的にみて先天性風しん症候群の患児の出生はなかった年はなく,流行閑期にもウイルスがひそんでいたことが証明されました。
   徳川 他:日本医事新報、3273.33,1987

Q 風疹罹患者の対処について教えて下さい

  風しんに罹患した場合、発疹が出る前後1週間ぐらいの間は伝染カが強いので,この期間は特に罹患児が妊婦へ接触することを避け,小・中学校へは発疹が消失するまで出席を停止させます。

Q 風疹の流行が起きてからワクチンの接種を始めてもいいですか

  原則としてさしつかえありません。ただし,ワクチン接種時にすでに感染を起こしてしまっている場合には,当然のことですが,ワクチンの効果は間に合わないため発病してしまいます。この自然の発病を,ワクチンの副反応と混同するおそれがありますので,この点に十分注意する必要があり,保護者に対してもこうした場合があり得ることをあらかじめ教えておく必要があります。

Q 風疹罹患後、また、ワクチン接種後再感染することもあると聞きましたが、どの程度で発症するのでしょうか

  非常にまれであると推測されます。

文献 19
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