いちご状血管種
生後数日〜2週で鮮紅色の斑として出現します。次第に増大し、3〜6ヶ月でピークになります。
@半球状に隆起する腫瘤型
A扁平に隆起する局面型
B皮下に腫瘤があり表面から青く透視される皮下型があります。皮下型は海面状血管腫と間違えやすいです。
1歳頃より退色し、暗赤色となり、6〜7歳までに自然消退していきます。大型のものは退色しても皮膚のたるみなどの瘢痕が残ります。大きく膨らみ潰瘍を生じて、まれですが、耳介が欠損したりすることがあります。
治療
目立たない部位のものや小さいものは自然消退するのを待ちます。ただし、全く跡形もなく消えるのではなくて、ある程度の瘢痕は残ります。
顔にあるものや大型のもの、増大の早いものはレーザー治療やドライアイス圧抵法を行います。
◎レーザー療法
色素レーザーを使用します。動脈成分が多く、熱感があるものについてはあまり効果が期待できません。
治癒率は完治20%、色が薄くなる程度の効果70%、無効10%位です。瘢痕を残さず治療を終えるためには、発症早期での治療が必要です。 ◎プロプラノール療法
最近始められました。プロプラノールを内服する方法です。初期の副作用が問題になるので、はじめに1週間入院して、その後内服を続けます。成績は良いようですが、副作用もあります。
副作用 睡眠障害、末梢のチアノーゼ、低血圧、徐脈、低血糖、喘鳴、気道感染、下痢、精神障害など。 その他
動脈成分が多く十分な自然消退が期待できない場合、ステロイド治療やドライアイス圧抵法に抵抗性がある場合は、顔面にあり整容上問題になる場合で、家族の希望が強いときには外科的切除を選択することもあります。
眼瞼、鼻、口唇にあり、視力障害、呼吸障害、摂食障害ををきたす場合や出血が続く場合などはステロイド局所注射、内服を行うこともあります。皮膚のたるみなどの瘢痕が残った場合は家族、本人の希望に応じて外科的に修正を加えることがあります。
一般的なレーザー療法について
美容上の治療を望まれるときにはレーザー療法を検討することになります。皮膚科か形成外科の先生に相談しましょう。
文献 58