無菌性髄膜炎 Viral meningitis


発熱、頭痛、嘔吐があり、脊髄液を調べると異常に多くの細胞がみられます。この中に細菌が認められない病気をこのように呼びます。夏に流行するウイルスによっておこることが多いので、夏に多い病気です。

症状
急に発熱と嘔吐、頭痛を訴えます。熱は高いことが多く、頭痛も強く訴える事が多いです。

原因
ウイルスが原因のことがほとんどで、その中で、エンテロウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスというタイプが多いといわれています。これらの一部は手足口病などをおこすウイルスです。おたふくかぜのウイルスもこの病気を起こします。

診断
髄膜刺激症状(項部硬直、ケルニッヒ徴候)がある場合、脊髄液を検査します。背中に細い針を刺して、液を採取する検査です。脊髄液の中にはリンパ球という細胞が増えており、タンパク質も増加しています。この中には細菌はおりません。

治療
入院して、安静にし、輸液を行うのが一般的です。脊髄液を抜くことが症状の軽快に役立ちます。脊髄液の所見は1〜4週間ほどでよくなります。
最近では、脊髄液の検査をすることなく点滴だけで安静にする治療をする施設も見られるようになりましたが、診断には脊髄液の検査は欠かせません。

予後
治療を受け、安静にしていれば次第によくなります。1〜2週間で症状はほとんど消失します。
ただし、無菌性髄膜炎の回復後に潜在性てんかんになる例もありますので決して油断はできません。

項部硬直は体を寝かせて首を90度を目指して屈曲します。髄液が増えている場合は首を曲げるのを嫌がり、体幹をあげようとします。
ケルニッヒ徴候は、仰臥位で股関節と膝関節を90度に屈曲し、他動的に伸展する時に痛みが出現する徴候です。子どもの場合はなかなか難しいので、膝の曲げはあまり考慮していません。
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