軽便鉄道(原田泰治作)


軽便鉄道(版画)

 今は廃線になりましたが、児島にはとてもかわいらしい下津井電鉄の軽気道の電車が走っていました。16年前、私が児島に来た頃はまだ現役で走っていましたが、10年ほど前に経営難でおしくも廃線となりました。かつて、岡山に住んでいた頃、児島に潮干狩りに来たときこの電車に乗りました。細いレールで家々の軒をすり抜けるように走り、正面の家につっこむかと思われたら、急にカーブを切るといった場所が多く、少年の僕には結構スリルがありました。大ぶりの昔のジェットコースターのようでした。
 その後、児島に住むようになって、この電車が廃線になることを聞いて家族と1回だけ乗りました。そのときには電車の横面に落書きを描いてよいということになっていたので、たくさんの落書きが描かれていました。下津井までの旅はほんの少しでしたが、海も明るく、風も気持ちのよい日で、大変楽しかったことを覚えています。今でもこの電車があればいいのにと思います。
 

 この絵は下津井の手前で、下津井の町並みや瀬戸内海、その向こうの四国、また四国の讃岐富士がよく見えています。
 ほのぼのとした、楽しい絵です。中央にちいさな電車がのんびり走ることで、明るさや優しさも伝わってきます。いつもの原田画伯の絵のように子どもの顔は描かれていませんが、電車を楽しんで見ている風情が伝わってきます。
 

 診察室に掛けている原田泰治画伯のこの絵はとても人気があり、小さな子どもが「電車、電車」といって、母親たちは「ああこれ、シモデンだ」「こんなんが走ってたんよ」と子どもたちに説明したり、懐かしそうに見ています。

 この路線は現在、自転車道になっていて、夏には児島トライアスロンのコースになっています。
 僕にはトライアスロンで走るのは無理ですが、自転車で走るのは気持ちがいいです。

(これはパンフレットをコピーしたものです。額に入っている絵を撮るのはとても難しいので、パンフレットを載せましたが、折れ線が入っていて見苦しいものになりました。申し訳ありません。)


おまけ
(下津井電鉄のホームページより)

児島〜茶屋町間廃止記念乗車券(稗田大池付近を走るモハ102・サハ3・クハ22)







昭和53年10月10日 瀬戸大橋着工記念乗車券を発売。
モハ102形3両編成電車と瀬戸大橋完成の絵




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