お知らせ
2012.11.15日より 4種混合(三種混合+ポリオ)を行っています。予約は不要です。
諸注意は現在の不活化ポリオ、三種混合ワクチンと同じです。
接種方法も現在の不活化ポリオワクチンと同じです。
同時接種もHIB、肺炎球菌、ロタワクチンなど可能です。ぜひ、同時接種ですすめていってください。



2012年9月1日から不活化ワクチン(生ワクチンではない)を接種しています。予約は不要です。

不活化ポリオワクチンについて
イモバックスポリオという名前のワクチンです。
皮下に注射するワクチンです。
ポリオウイルスT型、U型、V型に対応しています。
初回接種(3回)後1ヶ月における発症防御レベル(8倍以上)の抗体保有率は100%です。
1982年フランスで承認されて以来世界86カ国で使用されています。

接種方法
初回接種 生後3ヶ月から3〜8週の間隔をあけ、3回接種します。
追加接種は初回接種後6ヶ月以上あけて1回接種します。

経口生ポリオワクチン1回接種者について
経口生ポリオワクチン接種から27日以上あけて2回目として不活化ポリオワクチンを接種、3〜8週あけて3回目、6ヶ月以上あけて4回目(追加接種)を行います。



※経口生ポリオワクチン接種を2回されている小児は不活化ポリオワクチンを接種する必要はありません。
※当分の間(3年程度)に限り8週以上間隔をおいて接種することが可能です。
※追加接種については承認申請善のため定期接種の対象外になります。承認審査終了後に定期接種に組み込まれる予定です。

副作用
注射部位の紅斑、腫脹、疼痛などがあり、全身的には発熱、傾眠傾向、易刺激性、嘔吐、異常号泣、食欲不振等報告されています。
重大なものとしてはショック、アナフィラキシー様症状、けいれんなどかなりまれなようですが、起こることがあるようです。

他のワクチンとの併用
三種混合、Hib、肺炎球菌、BCG、インフルエンザなど可能と考えられています。

三種混合+不活化ポリオワクチンについて
2012年11月から三種混合ワクチンと不活化ワクチンが一緒になったワクチンが出ます。
11月に3ヶ月になるお子さんはこちらを受けるようになります。
三種混合を受ける予定の小さい年齢のお子さんはこちらを受けていただくことになります。

ポリオについて
我が国では以前、「小児マヒ」と呼ばれ恐れられていました。わが国では30年前までは流行を繰り返していましたが、予防接種の効果で現在は国内での自然感染は報告されていません。 ポリオウイルスはヒトからヒトへ感染します。感染した人の便中に排泄されたウイルスが口からはいり咽頭または腸に感染します。感染したウイルスは3〜35日(平均7〜14日)かけて腸の中で増えます。しかし、ほとんどの例は不顕性感染(95%)で終生免疫を獲得します。ウイルスが血液を介して脳・脊髄へ感染し、麻痺をおこすことがあります。ポリオウイルスが感染すると100人中5〜10人は、カゼ様の症状を呈し、発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐(おうと)があらわれ麻痺が出現します。一部の人は永久に残ります。呼吸困難により死亡することもあります。
感染の合併症としての麻痺の発生率は1,000〜2,000人に1人ですが、麻痺患者が1人発生したときには、その周りに100人以上の感染者がいるといわれています。

現在では世界的にも減少しており、東南アジア(特にインド)やアフリカの一部ではまだポリオの流行があります。2001年の統計で世界で600人ほどとなっております。日本にいる限りは感染する可能性はほとんどありませんが、日本に入ってくる可能性はまだあります。将来、いつそのような場所に行くことがあるかもしれません。かならずワクチンを接種して免疫をつけておきましょう。

Key word不顕性感染(ふけんせいかんせん)
ウイルスや細菌が感染して体の中で増えますが、病気としての症状が出ず、知らない間に免疫だけができるような感染の仕方をいいます。病気になりませんから都合のよい状態ですが、本人にもかかったのか、かからなかったのかわかりません。 もちろん免疫ができますので、終生免疫を作るタイプの疾患では二度とかかることはありません。 

生ポリオワクチンを現在中止しています。2011.5.21〜
2010年5月現在、現行の生ポリオワクチンで1年間に4〜6人のポリオが発生しております。しかし、世界ではこのような副作用のない不活化ポリオワクチン(生ではない、処理されたワクチン)が接種されています。当院では不活化ワクチンが導入されるまで今の生ポリオワクチンを中止することにしました。
ただ、感染が予想されるアフリカ、バングラデシュ、中国の奥地へ行く方には接種ができるところをご紹介します。
不活化ワクチンを待つべきではないという意見がありますが、さて、生ポリオワクチンによるポリオと自然に日本の中でかかるポリオとどちらが多いのでしょうか。答えは自ずから明らかです。 今日本ではポリオの発生はポリオワクチンによるもののみです。

※参考
生ポリオワクチンについて
ポリオワクチンは、注射ではなく、口からのむワクチン、経口生ワクチンです。ポ リオウイルスには、I、II、III 型と3つの型があり、ポリオワクチンにはこれら3 種類の弱毒化されたウイルスが含まれています。ふつう、生ワクチンは1回の投与で 免疫力をつけることができますが、ポリオの場合、1回の投与だけでは、1つか2つ の型のウイルスに対してしか免疫力がつかないため、3つすべての型のウイルスに対 する免疫力をつけるために2回のむことになっています。ポリオワクチンは非常に副 反応が少ないワクチンですが、きわめて稀に麻痺を起こすことが知られています。  ポリオワクチンは1961年に導入され、その後の普及により1981年以降は国内での感 染例は報告されていません。つまり、日本でポリオに感染して手足が不自由になるこ とはなくなりました。しかし、東南アジア、アフリカ、旧ソ連の諸国では、現在でも その流行がみられます。国際交流がますます盛んになる今後のためにも、ポリオワクチンが必要ですが、現在の生ワクチンは頻度は少ないもののポリオにかかってしまうことがあります。 そのため現在、世界中で接種が行われている、不活化ワクチンを国が是非早く導入してほしいと思います。

ポリオワクチンを受けるときの注意

(次のときには受けられません。代表的な事柄をあげましたが、下記以外のときにも受けられないことがあります。ワクチンを受ける前には必ず予防接種の手引きなどきちんと読んでおいてください。)
その他ワクチン接種上の注意
生ポリオワクチンは腸管内で増殖しますので、ワクチン投与前にガンマグロブリン投与を受けていても問題はありません。
投与直後にワクチンを嘔吐したような場合は、腸管内に吸着しない可能性があるため同量を再投与します。

生ポリオワクチンの副反応
一般的な副反応は発熱、嘔吐、下痢などですが、実際にはほとんどありません。わずかにこれらの症状が報告されていますが、因果関係は不明のことが多く、特に問題になることはありません。
また、ごくまれに接種後4〜30日の間に麻痺が出現することがあります。これは約100万回の投与に1例といわれていて、必ずしも少ないともいえません。
また投与されたワクチンウイルスは腸管内で増殖し、数週間にわたって便中に排出されるので、接触者がワクチン接種をしていない場合、あるいは抗体価が低い場合接触者にも感染し、まれに麻痺を起こすことがあります。(約580万回の投与に1例)
ですからポリオワクチンを接種した後は1ヶ月間赤ちゃんの便の処理をした後は充分手を洗いましょう。
両親などワクチンをしていなかったり、抗体価が低い場合、子どもさんと同時にワクチンを接種することが勧められます。

昭和50-52年生まれの方へ
昭和50-52年生まれの年齢層におけるポリオウイルスに対する中和抗体保有率が低いことがわかっています。昭和50年生まれの方は57%、昭和51年生まれは37%、昭和52年生まれは64%であり、他の年齢層の約80〜90%の保有率に比べると低いのです。
 したがって昭和50年〜52年生の人々は、ポリオ流行地(東南アジア、アフリカなど)へ行かれる際の感染や、極めて稀ですがポリオワクチン接種をうけた自分のこどもからの感染を受ける可能性がありますので、ポリオワクチンの接種を受けておくほうがいいでしょう。しかし現在ポリオの発生がみられない国内においては、緊急性はなく、こどものポリオ接種の際に一緒に接種されたらいいでしょう。

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