子どもの落下事故を防ごう
1.ショッピングカートは乗り物じゃない
ショッピングカートはいろいろな買い物が入るものです。それに子どもを乗せるから落ちるのです。カートの高さは約1メートル。ここから子どもが体を乗り出して、落ちる。ショッピングカートに乗せるのは乗せることができるように作られたものだけにしてください。 1メートルの高さから、下のフロアに落ちれば、事故が起こっても不思議ではありません。頭部を強く打てば、急性硬膜下血腫など非常に危険な状態になることもあるのです。ですからお母さんははまず子どもをカートに乗せないようにすることがもっとも大切です。どうしても乗せざるを得ないときは腕をしっかりつかんでいたり、腰にベルトをつけこれをしっかりつかんでおいてください。常に落下するということを頭に入れて、十分注意を払っておいてください。
買い物カートから落ちる事故は本当に多く、1ヶ月に2回程度はあります。年齢は2〜5歳くらいです。私は診察中に落ちた子を診たときは、買い物カートには乗せるなと言ってはいますが、どうしても乗せているあかあさんがいて、その結果落ちて、心配で飛んで来られます。
ショッピングカートには子どもをのせないようにしましょう。
2.階段には柵をつけよう
階段は危ないところです。上から下まで落ちると、骨折やひどい場合は頭の骨の中に出血して、重大なことになりかねません。ハイハイができるようになると、そのまま、階上から下まで落ちてしまいます。
どんなに気をつけていても目を離すと、危機感を抱くこともなく、落ちます。
これを防ぐために、
@2階に子どもをあげない。
A階段に近づけない。
B階段のところに柵をつける。
C階段の下にマットなどクッションになるものを置く。
D階段に低めの手すりをつける。
E階段は途中に踊り場をつける。
などです。
とにかく、頭部を打ってしまってから、後悔しても遅いのです。
3.歩行器は落ちる乗り物
歩行器というのはこどもが歩いているわけではありません。すわって足を動かしているだけのものです。すわって足が床に触れれば進むようになっていて、滑るように進みます。問題はプレーキはかからないことにあります。なれてくるとスピードを上げます。もちろん子どもは危なくなっても自分ではブレーキなどかけません。
その結果、この”乗り物”は段差があると必ず、転倒します。
縁側から、外に落ちたり、階段から落ちたり、玄関から土間に落ちます。
転倒すると必ず頭を打つことがこの”乗り物”の危ないところです。歩行器に乗って子どもがひとりで遊んでいるので、母親は安心していますが、目を離すととんでもない事故が起こるので気をつけてください。
歩行器を使うときは必ず段差がなく、周囲が壁になっていてぶつかっても大丈夫なところで使用してください。