赤ちゃんのうんちのこと
赤ちゃんは便の出方が一定しません。便が2〜5日くらい出ないことはたびたびあります。便秘かもしれないと不安になるかもしれませんが、この後自力で、たくさん軟らかい便が出る場合は便秘ではありません。お乳をよくのみ、体重も順調に増えていればこのまま様子をみていいでしょう。
便がころころしていたり、硬い場合、あるいは便をするとき、うんうんといい、またおならがぷすぷす出ておなかが張っている場合は便秘と考えていいと思います。
このときに肛門が切れることがあります。便の周囲に少量の血液がまじることもあります。
便秘のときの工夫
@おなかをやさしくさすってやります。
Aマルツエキス(薬局で売っています)、砂糖水、果汁など与えてみます。
B離乳食を食べているあかちゃんには、果物や野菜を加えてあげましょう。
便秘のとき
浣腸の仕方
原因
腸の働きがまだ十分できていないと考えられます。腸のリズムがきちんとできていないので、何回も出たり、まったく出なかったりということがあります。
母乳の赤ちゃんは軟便やさらに軟らかい便が何回も出ることは珍しくありません。
生後2〜3ヶ月以内の乳児の便の色は黄金色です。赤血球が壊れてできるビリルビン(黄色い色素)が、腸内細菌叢が未発達なため、ウロビリノーゲン(無色)への還元を受けず、そのまま便の色になります。よく緑色になってきますが(しばら放置しておいた場合なと゛)、これはビリルビンが酸化され、ビリベルジンに変化したためです。これは少量で強い暗緑色を呈する色素だからです。またビリルビンの酸化は便が酸性の時に起こりやすくなります。
離乳開始後になると、便の色調は黄褐色や暗褐色の褐色調の強い色彩に変わってきます。その時の便にはビリルビンはほとんど含まれていません。これは腸内細菌叢が発達し、それらによりビリルビンが還元され無色のウロビリノーゲン(l‐ウロビリノーゲン、i‐ウロビリノーゲン、d‐ウロビリノーゲン)となり、ついで自家酸化でウロビリン(l‐ウロビリンは橙黄色、i‐ウロビリンは緑色、d‐ウロビリンは橙黄色)となるためです。
黄色便か緑色便かは、母乳では、黄色便が89%(濃黄色63%、淡黄色26%)と多く、緑色便は8%(緑色1%、黄緑色7%)と少ないようです。ミルクでは、黄色便が25%(濃黄色12%、淡黄色13%)と少なく、緑色便は73%(緑色32%、黄緑色41%)と多いようです。灰白色便は母乳、ミルクともに1%程度にみられます。 以上から緑色便は、新生児期、抗生剤内服時などでみられますが、人工栄養児でもよくみられますし、母乳栄養児でも時にみられます。全乳人工乳使用時では異常と考えられた緑便も、母乳化した調整粉乳使用時には特に異常と考える必要はありません。便の性状異常(水様、粘液・血液を混じている場合など)を伴った緑便は注意する必要があります。消化不良症では緑便をみることは事実ですが、逆に緑便が消化不良を意味しないことが圧倒的に多いと考えられます。
便の色については http://www.tochinavi.net/baby/b_kikaku/clinic/html/kamiyama/49.html から上山先生の文章をお借りしました。